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 ビッグデータを活用したビジネスの最適化は、公共、民間双方のあらゆる部門で変化を巻き起こしている。フロスト&サリバンのICTユニット「Stratecast」の分析では、ビッグデータ・アナリティクスの世界市場は2014年から2019年にかけて年平均成長率(CAGR)10.5%で成長し、市場規模は2014年の411億8000万米ドルから2019年には678億9000万米ドルに達する予測となっている(ビッグデータに関連するソフトウエア、ハードウエア、およびサービスが対象)。

 とりわけ、ビッグデータが計り知れないほどの大きな変化を及ぼすのが、自動車業界である。

自動車業界のビジネスを変換するビッグデータ

 2020年までに、世界中を走る数千万台の車が関連性を持つ一連のデータを生み出すようになる。完成車を製造する自動車メーカーはこれらのデータに基づいて、ビジネスにおける様々な予測分析が可能になる。ビッグデータは、ブランド認知度、顧客ごとのデジタルエンゲージメントのレベル、様々な自動車の処理プロセスへの応答時間、好みに応じた設定といった基準によって、顧客の差別化を可能にする。

 Stratecastの分析では、ビッグデータを活用したビジネス戦略を実行することで、自動車1台あたり年間で約800米ドルの利益を生み出すことが可能になる(コスト削減と増分収益を合わせた利益)。

 消費者の自動車に向けた認識、さらに広く言えば、自動車の所有と運転経験に対する視点は劇的に変化している。自動車メーカーと顧客との関係にも変化が起きており、利益と収益を最大化するための新たな取り組みが必要となっている。

 このような中で、自動車メーカーは環境に優しいコネクテッド・ビークルの販売を急いでいる。インテリジェントなコネクテッド・ビークルのネットワークを、サービスとして売り込もうとしている。

 ビッグデータの活用によって得られる自動車業界固有の価値を分析すると、小売業との興味深い類似点が見えてくる。小売業において、販売されているが入手できない商品の注文を受けてしまうというデータの食い違いは、オペレーションにおける悩みの種である。見当違いな商品を宣伝して、顧客を遠ざける事例も発生している。優れたフォローアップによる顧客との関係構築に失敗し、商品を注文した時点で消費者の好みを徹底的に追跡することを忘れているからである。

 小売業者にとって、前述の問題の対処には年間8000億米ドル以上の価値がある。では、自動車メーカーにとって、この問題はどれくらい重要と言えるだろうか?Stratecastの分析では、不完全で不正確なデータを用いた誤った判断によって、自動車産業では何兆米ドルに及ぶコストが発生している可能性がある。例えば、カーディーラーは小売業の一種であるため、小売業界のケースがそのまま当てはまる。