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本田宗一郎のように実験を続けよ

 ボネー氏は、「ビットコインのウォレット数が現在約1000万。年末には約1200万になるだろう。1995年にインターネットへ接続していたユーザーの数とほぼ同じだ」と話す。インターネットが爆発的に普及する前夜と同じ規模感だという。

 インターネットと同様に、ビットコインとブロックチェーン技術は爆発的普及に向かうのか。それとも頭打ちとなるのか。伊藤氏は「その分岐点を迎えつつある」という。

 伊藤氏はインターネットについて、1社が独占的にサービス開発をするのではなく、「ネットワーク、IT、ブラウザー、コンテンツといったレイヤーごとに競争と標準化が進んだ。各レイヤーのアンバンドル化。これがインターネットが成功した重要なポイントだ」と分析する。

 ビットコインを支える技術においても様々な領域で、数多くのプレーヤーが競うことが必要だというわけだ。

写真4●ステラ開発財団のジョイス・キム エグゼクティブ・ディレクター
写真4●ステラ開発財団のジョイス・キム エグゼクティブ・ディレクター
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 ステラ開発財団のジョイス・キム エグゼクティブ・ディレクターは、「現時点で、ビットコインが唯一のプロトコルというわけではない。これはグッドニュースだ」と語る(写真4)。「イノベーションは、何十万もの議論と何千もの実験から生まれる」(キム氏)からだ。

 キム氏は、数多くのブロックチェーン関連プロジェクトを紹介。ブロックチェーン上で通貨以外にも契約、財産のやり取りを可能にするアプリケーション基盤「Etherium」、ビットコインの改良版である「zerocash」、ビットコインとは異なるデジタル通貨である「Stellar」などだ。同氏は、「(ホンダの創業者である)本田宗一郎氏のように、実験を続けることが重要だ」と主張する。

 「ビットコインでは、既に相当量の通貨が動いている。実験的な試みがしにくくなっているのは確か」と、伊藤氏は認める。「現在のビットコインの(ブロックチェーン)技術を全方位に広げていくのかどうかは、業界的にも大きな議論が必要だ」と、伊藤氏は言う。