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図2●Continental社のドライブサポートソリューション(一部)。ARS400はミリ波レーダー、SRLCamはカメラと赤外線レーザーレーダーを一体化したユニット。
図2●Continental社のドライブサポートソリューション(一部)。ARS400はミリ波レーダー、SRLCamはカメラと赤外線レーザーレーダーを一体化したユニット。
出典:Continental Webサイト http://www.continental-corporation.com/www/pressportal_com_en/themes/press_releases/3_automotive_group/chassis_safety/press_releases/pr_2014_05_19_systemkompetenz_en.html
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 Continental社は、各種の車載センサーも研究開発・製造している。ミリ波レーダーやカメラ、赤外線レーザーレーダーにも同社の製品があり(図2)、日本の自動車メーカーでも採用例がある。

 今回Continental社が開発を表明した歩行者認識機能は、距離検知方式を従来用いていたFM-CW方式(表3参照)からパルス圧縮方式に変更して実現できるとしている。パルス圧縮方式は、変調によって広帯域となったパルスを送信し、受信信号を復調して空間分解能を高める技術である。

 Continental社によると、パルス圧縮方式を採用したことで強い反射波と弱い反射波を分離し、歩行者からの反射波を識別できるようにしたという。歩行者からの反射波の強度は金属製の車両に比べ1/1000 (-30dB)ときわめて弱い。従来の技術では他の反射波に埋もれてしまい、識別できなかった。

 しかし、今回のContinental社の技術で、ミリ波レーダーによる歩行者識別にメドが立ち、従来の固定観念を覆すと報じられた。

 この新しいミリ波レーダーは2015年後半から量産が始まり、欧州の自動車安全テストプログラム「Euro NCAP (European New Car Assessment Programme)」が2016年に始める自動ブレーキ機能の歩行者試験に対応できるレベルにスペックを設定する計画だ。

まとめ

 これまでは主に軍事や航空の用途が多かったレーダー技術が、自動車の急速なエレクトロニクス化によって自動車工学の一分野に進出し、既に実用化が始まっている。

 モバイル通信とは直接の関係は薄いかもしれないが、自動車は単なる乗り物という立場をはるか昔に脱皮している。現代そして将来の自動車と無線との関係は、モバイルとのコネクティビティ、つまりConnected Carだけでなく、様々な無線を活用して安全性を追求する面でも進化を続けている。

清尾 俊輔(せお しゅんすけ)
情報通信総合研究所 主任研究員
1995年、北海道大学大学院修了後にNTT移動通信網(現・NTTドコモ)入社。同社移動機開発部、知的財産部を経て2012年より情報通信総合研究所で勤務。2014年2月から現職。現在は無線技術を中心とした世界のモバイル市場と周辺動向の調査研究に従事。