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 FacebookやTwitterとの比較で言えば、Snapchatは非常に揮発性の高いメッセージングサービスと位置付けられる。コンテンツの消費期限がFacebookでは永久的であるのに対し、Snapchatでは瞬間的だ。Snapchatが備えた、これまでなかった機能が、10代のユーザの価値観や行動様式に合致している(図2左)。

図2●Snapchat(左3つの画像)とLINE(右の画像)の“Hidden Chat”
図2●Snapchat(左3つの画像)とLINE(右の画像)の“Hidden Chat”
出典:Google Play
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“Hidden Chat”機能を導入したLINE

 Snapchatの登場以来、メッセージングアプリを論じる上で、情報の揮発性が大きなキーワードの一つになっている。LINEも追随する形で“Hidden Chat”という新機能をまずは海外で導入した(図2右)。これはSnapchatと同様の機能で、一定時間が経過するとメッセージが消滅するというもの。“Hidden Chat”でやりとりされたメッセージは、一定時間が経過するとアプリ側とサーバ側の両方から消去される。デフォルトの設定時間は1分だが、2秒、5秒、10秒、1分、1時間、1日、1週間の中から設定を変更できる。

 この機能は3人以上が参加するグループチャットでは利用できず、1対1のチャット内でしか使えない。対象となるメッセージの種類はテキスト、連絡先、位置情報、画像、スタンプに限定されており、動画や音声は対象外となっている。

若者に対する一種の救済措置

 一般に、若者の間のコミュニケーションは他の年齢層と比べて頻度も深度も高い。しかし、若者たちはその日常的なやり取りの全てを記録したいとは考えていない。

 この世代のユーザーにとって、書き込みや写真など投稿内容が永久的に残り、ライフログの様相を呈するFacebookは都合が悪い。インターネット上には、他愛もないジョークのようにその場だけを楽しんで水に流せるようなコミュニケーションが許容される場はそう多くない。

 インターネット上のコンテンツの性質の一つに永久的に残ることがある。難易度は内容によって変わるものの、検索されれば基本的にはヒットする。

 これはインターネットというメディアのメリットでもデメリットでもある。このデメリットの部分は、Snapchatのようにコンテンツに揮発性を付与することで打ち消せる。

 興味深いことに、SnapchatのEvan Spiegel CEO(1990年生まれの24歳)はこう言う。「10代のユーザにとって、インターネットは他者と共有できない場になってきている。インターネットでは、楽しみも共有できなければ、彼らの思い通りに交流することもできない。これこそがSnapchatの本質であると思う。Snapchatは、永久に記録に残ってしまうということを気にせずにコミュニケーションできるプラットフォーム。Facebook上の投稿内容が原因で就職活動に失敗したという話もよく耳にする」――。

 ツイート炎上事件に話を戻すと、未成年は後先をあまりよく考えず行動し、過ちを犯しやすい。だからこそ、国や地域によって程度の差こそあれ、少年法を始めとした一連のセーフガードが用意されている。