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 シンガポール政府の場合は、「Smart Nation Platform」(SNP)というデータ活用基盤を作る。そのうえで、街灯、交通監視カメラ、自動車のスピード、人通り、気象・環境といったデータを集約。こうしたデータに基づいて、より便利で安全な公共交通、物流、エネルギー供給、ヘルスケアなどのサービスを実現していく。

 例えば前述したIOCの災害予測のようなサービスを実現できれば、問題が発生する前に対処できるし、ゴミの発生量に合わせてタイミングよく収集するといったこともできる。このほか、SNPから住民が様々なデータを取得できるようにすることで、交通手段や健康サービスなどの面で、自ら最適なサービスを選択できるようになる。各種データの利用環境が整えば、イノベーションを起こすきっかけが生まれる可能性もある。これが、シンガポール政府が描いている未来だ。

インフラ構築と実証が徐々にスタート

写真1●Smart Nationのインフラとして設置を進めている「Above Ground Boxes」
写真1●Smart Nationのインフラとして設置を進めている「Above Ground Boxes」
このボックス(コンテナ)をバスの停留所や交差点などに設置する。写真左が全体像。右がクローズアップ。写真はいずれも、情報通信開発庁(IDA)のWebサイトから引用。
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 この未来を現実のものにするために、まず、Internet of Things(IoT)とビッグデータ活用のためのインフラ整備を進める。シンガポール国内の無線ネットワーク整備や、センサーを多数配置するためのハブとなる「Above Ground Boxes」(AG Boxes)の設置、データの取引市場の開設といったことである(写真1)。

 無線ネットワークは、具体的には第3世代移動通信(3G)と無線LANをシームレスに利用できるヘテロジニアスネットワーク(HetNet)である。もう一つのAG Boxesは、電源、100Mビット/秒の光ファイバー接続、小型サーバーなど、センサーネットワーク構築に必要な機能をすべて搭載したハードウエア。これを、バスの停留所、駐車場、交差点などに設置し、事業者が手軽にセンサーネットワークを構成できるようにする。これらのインフラ整備により、センシングデータ収集のハードルを下げ、Smart Nationを推進する考えだ。