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 前回に続き、米連邦捜査局(FBI)と米Appleの間で争われる、「iPhoneのロック解除」の問題をフォローする。前回は大統領候補争いで注目を集めるドナルド・トランプ氏とAppleの対立について触れた(関連記事:「iPhoneロック解除」論争、ユーザーがあまりAppleの味方にならない理由)。

 その後、2016年3月1日に米連邦議会での公聴会が実現し、FBIとAppleの双方が証言を行った。議会が必ずしもAppleを支持したわけではないが、FBIの姿勢に対する批判が多く出た点が印象的だった。

 FBI側で召還されたのはジェームズ・コミー長官だ。同氏はこれまでの立場を改めて説明し、暗号化がテロの隠れみのになっている点、それを暴く道具がない点を強調した。

FBIは2014年から暗号化問題を指摘

 コミー氏はこれまで、Appleや米Googleなど、デバイスや通信の暗号化に取り組んでいるテクノロジー企業に批判的な立場を取ってきた人物だ。例えば2014年9月にリリースされたiOS 8で、それまで可能だったiPhoneのデータの吸い出しを不可能にした際にも、「法を超越した機能をマーケティングに利用している」と怒りをあらわにしていた。

 2015年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノ市で、14人の命を奪う銃乱射事件が起こった。この事件の捜査に際しての容疑者のiPhoneのデータ取り出しについて、iPhoneからデータを取り出すことができない仕様とした2014年から状況は変わっていない。コミー氏にとっては、前から認識していた問題が顕在化したにすぎないという思いなのだろう。