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 米Appleは2016年3月21日(現地時間)、カリフォルニア州クパティーノにある本社内の通称「タウンホール」で、「iPhone SE」「iPad Pro 9.7型モデル」などを発表するメディアイベントを開催した。

 新製品についてはすでに多くの情報が出ている(関連記事:写真で見るアップル新製品、小型の「iPhone SE」は質感高く好印象)。今回は、このイベントでAppleが伝えようとしたメッセージに焦点を当てる。

 筆者がこのイベントで語られる内容の一つとして予測していたのが、FBIとのiPhoneロック解除問題である(関連記事:「iPhoneロック解除」論争、ユーザーがあまりAppleの味方にならない理由)。米国議会での公聴会、発表文書での激しい“舌戦”、大統領選挙の候補者の発言などと、米国中の注目を集めた問題だ。

写真1●Appleのイベント冒頭で登場したCEO(最高経営責任者)のTim Cook氏
写真1●Appleのイベント冒頭で登場したCEO(最高経営責任者)のTim Cook氏
(撮影:松村 太郎)
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 Appleのより踏み込んだ対策に関する発言も想定された。だが、CEO(最高経営責任者)のTim Cook氏は「我々は顧客のプライバシーとデータを守る責任から逃れるつもりはない」と、従来の主張を繰り返すにとどまった(写真1)。

 発言が少なかったのは、翌日に予定されていた裁判所での聴聞がキャンセルされることになったからだ。当日の朝のニュースで、FBIは裁判所に寄せられた第三者の情報により、独自にiPhoneのロック解除を行えると判断したため、Appleに対して“バックドア”に当たるソフトウエアの開発を要請しなくてもよくなったとみられる(関連記事:アップルに頼らずiPhoneをロック解除可能? 法廷審問が中止)。

 「FBIとの対決姿勢」こそ若干トーンダウンしたが、イベントで新製品を発表するまでの冒頭部分では、40周年を迎えるAppleが何に取り組んでいるのか、人々に伝えようとする姿勢が感じられた。