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 クラウド事業者やデータセンター事業者同士の接続が進む背景には、ユーザー企業が適材適所でクラウドサービスやデータセンターを複数選択するケースが増えていることがある。基幹系システムはプライベートクラウドやデータセンター、情報系システムやバックアップはパブリッククラウドで運用するといった使い分けをしたいという企業のニーズに応えらえる。

 この傾向は2015年も続く。これからは自社のクラウドサービスだけでなく、他社の複数のクラウドサービスやデータセンターとの接続にも対応するだろう。ユーザー企業の利便性を高めた。オープン性の高いサービスの充実が進むと推測される。

サービスの競争軸は広範囲なレイヤーへ拡大

 IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)レイヤーの価格競争は2015年も続くだろう。2015年は、自社の強みを生かしたサービス展開など、他と差異化したビジネスモデルの開拓が進むと予測される。

 AWSは2015年にさらに多くのサービスや機能拡充を図り、引き続き市場をリードするだろう。これまでも、大量分析が可能なデータウェアハウスサービス「Amazon Redshift」や2014年11月に発表したMySQL互換の高速データベースサービス「Amazon RDS for Aurora」、JavaScriptプログラムを実行するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「AWS Lambda」などの提供をしてきた実績がある。

 PaaSでは、エンタープライズ領域にPaaSを採用した「エンタープライズPaaS」の利用が拡大する年になるだろう。IBMは2014年12月にオープンソースのPaaSソフトウエア「Cloud Foundry」をベースに、SoftLayerのベアメタル(物理)サーバーを利用したシングルテナント型の「IBM Bluemix Dedicated」の提供を始めた。同サービスはハードウエア性能を保証し、VPN接続に対応することで、セキュリティレベルの高いPaaSとしての環境を用意する。

 2015年は、ハイパーバイザーによる、オンプレミスとクラウドとのシームレスな連携も加速する年になるだろう。ヴイエムウェアは、ソフトバンクグループと2014年11月10日から、ハイブリッドクラウドサービス「VMware vCloud Air」の提供を開始した。

 ヴイエムウェアのサーバー仮想化ソフト「VMware vSphere」を利用するユーザー企業は、既存システムの拡張リソースとしてvCloud Airを利用できる。オンプレミスとクラウドで共通のハイパーバイザーを使うことで、シームレスな連携が可能になる。

 さらに、ヴイエムウェアはサーバーだけでなくネットワークのレイヤーも含めたオンプレミスとクラウドとの連携を進めている。2015年2月3日にVMware vCloud AirとVMware NSXを組み合わせたハイブリッドクラウド環境向けのネットワークサービス「vCloud Air Hybrid Networking Services」を発表した。

 アプリケーションレイヤーでは、第4回で解説したように、垂直型統合のサービス競争が激化するだろう。具体的にはアプリケーションをクラウドサービスとオンラインでパッケージ化して提供する「AWS Marketplace」や「Microsoft Azure Marketplace」、「IBM Cloud marketplace」などの「クラウドマーケットプレイス」のサービスが充実していく。