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 基板に砂を捲(ま)いたように配置されている超小型の部品は「受動部品」と呼ばれ、MLCC(積層セラミックコンデンサー)、抵抗器、インダクター、フィルターなどがある。iPad Proの受動部品の総員数は約2080個。iPhone 6の約1300個と一般的なノートパソコンの約3000個の中間である。

 Apple社製品が搭載する受動部品の最大の特徴は、そのサイズにある。縦横0.4mmx0.2mm(略して「0402サイズ」)の受動部品の割合が高く、全体の43%を占める。この極小サイズの受動部品は村田製作所、TDK、太陽誘電など日本企業が主に量産しており、目立たないながらも圧倒的な数でApple社のビジネスを支えている。今回はiPad ProのLTE対応モデルを分解したが、LTEの通信機能でもTDKや村田製作所のフィルター等が数多く使用されていた。

メイン基板(PCB#1)のディスプレー側その1
メイン基板(PCB#1)のディスプレー側その1
LTE通信を担当する部品。基本的にiPhoneと似た部品が使用されている。日本製の部品が多い
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メイン基板(PCB#1)のディスプレー側その2
メイン基板(PCB#1)のディスプレー側その2
WiFiを含めその他の機能を担当するエリア。DRAMの形状がモバイル機器では珍しい長方形
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