PR

 暗闇プロジェクトは試行錯誤の連続であり、成功が約束された道など存在しない。ベテランの持つ20年間の経験が、若手の持つ3年間の経験よりも優れている保証はどこにもない。多くの経験によって自分の中にフィルターを作り上げた結果、正しい情報をむしろ察知しにくくなっている可能性もある。

 だからこそ暗闇プロジェクトのマネジャーは、メンバーの「納得できない感」「分からない感」を敏感に察知する必要がある。自分のフィルターに引っかかって見えていない情報を、メンバーがつかんでいる可能性があるからだ(図1)。

図1●理由をはっきり言えない反対意見に真実が含まれているケースもある
図1●理由をはっきり言えない反対意見に真実が含まれているケースもある
[画像のクリックで拡大表示]

 暗闇プロジェクトで重要なのは、微妙な状況や空気を読む力、ちょっとした情報を感知する力(感知センサー)をどれだけ備えているか、そして、センサーから得た情報を捨てることなく、いかに拾い上げるかである。こうした力は「頭の良さ」とは全くの別物だ。

 そうした情報をメンバーが感じた際に、遠慮なくマネジャーに伝えられるような「空気の通りがよい環境」を意識して構築する必要もある。そうしないと、Dマネジャーと同じ轍を踏みかねない。