こうなったら、自分たちの足で集めるしかない。営業やコンサルティングのメンバーだけでなく、エンジニアも総動員して現場調査に繰り出した。
しかし、P社は調査会社ではなく、調査のプロフェッショナルがいるわけではない。営業担当者の多くはSEやエンジニア上がりで、コンサルタントも調査業務の経験がない人間ばかりだ。結局、A部長が要求するデータを集めることはできなかった。
メンバーのほとんどは「A部長の要求に応えるのは無理だ」と最初から気づいていた。だからといって、メンバーはA部長に反論することも代替案を提示することもできなかった。
「方程式に当てはめる」アプローチは不向き
ロジカルシンキングや問題解決技法を学んだ初心者は、往々にして自信を持ちすぎる。しかし実際には、そうしたやり方をすぐに適用できるものではない(図2)。