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 この連載では、先が見えない「暗闇プロジェクト」を任された場合に参考になりそうなヒントやノウハウを紹介している。「暗闇」はプロジェクトを通じて苦労を強いられるが、とりわけ企画・計画段階からつまずくケースが少なくない。

 今回と次回で、このフェーズをうまく進めるためのセオリーを紹介する。

セオリー1
精緻な計画を立てるのは工数の無駄遣いと自覚する

 ユーザー企業S社の大規模プロジェクト。運営組織は多くの専門チームで構成していており、その一つに計画の作成・更新の専門チームがあった。予実管理は各チームが担当するので、計画チームの役割は計画の作成・更新だけ。計画を作成するまでは大変だが、一旦作成したら後は暇になるだろう。計画チームのメンバーはこう考えていたが、実際は違った。

 S社のプロジェクトはウォーターフォールモデルにのっとり、計画駆動型で手堅く進めるはずだった。ところが、何しろ常時200人が同時に作業する大規模プロジェクトである。あまりの複雑さに、プロジェクトはだんだん「暗闇」になっていった。

 前提条件が覆る。新たな制約条件が見つかる。「超偉い人」が突然現れ、言いたいことを言って去っていく。それに振り回されるマネジャーたち──。

計画更新のために相次ぎ増員

 計画チームは、毎日のように発生する計画の修正に追われた。ただでさえ負担が大きいのに、計画のフォーマットが細かすぎることが、負担を一層重くした。フォーマットは日単位で管理できる精緻なもので、タスク割りも細かい。そのレベルで多くのチーム間の整合性を取っていくのは大変な手間を要した。

 当初は、計画の更新作業はマネジャーと主任級の2人体制で十分だと考えていた。ところが負担があまりに大きく、メンバーを1人追加せざるを得なくなった。作業自体は単純の部分が多いわりに計画メンバーの単価は高いので、できれば増員を避けたかったがそうも言っていられなかった。