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 北米におけるインターネット動画配信サービスの2014年市場規模は107億ドル(約1兆2840億円)を超えたとされているが、既に述べたように市場を牽引したのはNetflixを初めとするOTT(Over-The-Top)事業者だ。動画配信サービスに対する広告費も2014年は36億ドル(約4320億円)に達するとされており、まだまだ成長が期待される有望な市場である。

ソニー、映像配信サービスに参戦

 この魅力的な市場に対してテレビメーカーであるソニーが本格的に参入を決めた。2014年11月「PlayStation Vue」というインターネット経由のテレビ番組配信サービスを発表。これはPlaySation(PS)3及び4のユーザー向けに、クラウド上に設けた仮想デジタルレコーダーから番組を配信するサービスで、オンデマンド配信、ライブ放送、ユーザーごとに最適化されたチャンネル編成などを提供するという。

 2015年第1四半期の本格サービス開始を目指すとしており、米CBS、米フォックス、米NBCユニバーサル、米ディスカバリー・コミュニケーションズ、米バイアコムなど、あわせて75のチャネルが番組を提供する予定だ。米国にはPSやブルーレイディスク(BD)関連機器など、ソニー製のネット対応危機が約7500万台以上あるとされており、PS関連のネットサービスのアクティブユーザーは5200万人以上との報道もある。現時点で料金は不明だが、仮にケーブルテレビの月額5000円程度で5200万人の1割が契約したとしても軽く3000億円を超える売り上げ規模になる。

 ソニーは、2015年に投入する液晶テレビの大半にアンドロイドOSを搭載すると発表している。スマートフォンやタブレット、テレビとの親和性を高めることを狙ったものだが、PlayStation Vueによってさらにメディアのプラットフォームへと進化を図る戦略だ。

加速するテレビ局のOTTサービス

 4大ネットワークのCBSは、「CBS All Access」というOTTサービスを開始し、キャッチアップ(見逃し視聴)、オンデマンド配信、ライブ配信などを提供し始める。米タイム・ワーナー傘下のケーブルテレビ局のHBOもこれまでの方針を転換し、ケーブルテレビや衛星放送に加入していないネットユーザーでも加入・視聴可能なOTTサービスを今年中にも開始すると報道されている。それに向けて、大リーグのデジタル部門であるMLBアドバンストメディアと提携を進めているとの報道もある。

 米ウォルト・ディズニー傘下のケーブルテレビ局、ESPNもまた昨年発表したNBA(北米プロバスケットボール・リーグ)との新たな放映権契約の中で、2016年以降にウェブ専用のストリーミング・サービス(試合のライブ中継を含む)を開始する権利を獲得したと報道されている。