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 米Gartnerがこのほどまとめた世界スマートフォン市場の販売統計調査によると、2015年第1四半期(1~3月)の出荷台数は3億3605万台となり、前年同期から19.3%増加した。この販売台数の伸びは主に新興国市場に支えられており、とりわけアジア太平洋、東欧、中東・北アフリカ地域の勢いが増しているという。これらを含む新興国市場全体の販売台数伸び率は40%で、世界市場の平均を大きく上回ったと同社は報告している。

 しかし、Gartnerがここでいう新興国市場には中国が入っていない。同社はその理由について発表資料で詳しく言及していないが、このことは別の調査会社米IDCのリポートで説明されている。

「もはや中国は新興市場にあらず」

 これによると、2015年第1四半期おける中国のスマートフォン出荷台数は9880万台となり、前年同期から4.3%減少した。中国でスマートフォンの出荷台数が前年実績を下回るのは6年ぶりだという。

 中国は2011年に米国市場を抜いて世界最大のスマートフォン市場になった。だが、その出荷台数推移を見ると、2年前に前年同期比2倍以上で伸びていた同国のスマートフォン出荷台数は、その後の伸びが低下している(図1)。また過去5四半期の出荷台数は、前四半期比で横ばいが続いている。同国スマートフォン市場は急速に飽和状態に達したという。

図1●中国のスマートフォン出荷台数推移(2013年第1四半期~2015年第1四半期) 出典:米IDC
図1●中国のスマートフォン出荷台数推移(2013年第1四半期~2015年第1四半期) 出典:米IDC
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 IDCのマネージングディレクターKitty Fok氏によると、中国はこれまで新興市場と考えられてきたが、今や同国で売られる携帯電話はその大半がスマートフォンであり、これは米国、日本、英国、オーストラリアなどの成熟市場と同じ状況という。

 このIDCのリポートについて報じた米Wall Street Journalによると、中国スマートフォン市場の減速は、「初めてスマートフォンを買う人がいなくなったことが要因」と専門家らは見ている。

 香港の市場調査会社Counterpoint Technology Market Researchのアナリスト、Tom Kang氏は、現在中国で利用されている携帯電話の約75%がスマートフォンであり、スマートフォンは全携帯電話販売台数の90%を占めると報告している。「中国は先進国と同様、買い替え市場になった」(同氏)という。

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