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(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

今回の回答者:
KDDI サービス企画本部 ネットワークサービス企画部
ネットワークサービス企画3グループ
グループリーダー 梶川 真宏
課長補佐 戸田 和仁

 TTL(Time To Live/タイム トゥ リブ)は、IPでパケットがネットワークを流れていられる期間を決めた値です。TTLはパケットがルーターを経由するごとに「1」ずつ減り、「0」になるとパケットが消えます。IPでは、TTLがあることで、宛先不明のパケットが長時間ネットワークをさまよわないようになっています。

 一方、イーサネットにはTTLがありません。LANスイッチは、MACアドレステーブルにない宛先のフレームを受信すると、受信したポート以外の全ポートから送出(フラッディング)します。端末側は、自分宛てのフレームは受信し、それ以外は廃棄します。

 イーサネットではこのように「宛先不明のフレームは一度、LAN内の全端末に届け、端末側で受信するかどうか判断する」のが前提です。TTLのように一定時間が経ったらフレームを消す仕組みを導入すると、この前提が崩れて、宛先に到達できないフレームが出てきます。規格策定の場にいたわけではないので明言はできませんが、以上のような前提から、イーサネットにはTTLがないのでしょう。

 ここで問題となるのが「ブロードキャストストーム」です。設定ミスや故障が原因で経路がループ状になると、フラッディングの繰り返しで、正常に通信できなくなる現象です。現在のイーサネットはLANだけでなく、広域イーサネット網など大規模環境でも利用します。そこでブロードキャストストームの悪影響を軽減するため、大規模環境向けにTTLを採用したイーサネットの拡張規格が登場しています。