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経済指標と社会指標の変化

 大都市の活力は企業に依存する。有力企業が地元にとどまり、利益を上げていることが先決だ。それが雇用と所得の底上げ、ひいては生活保護、犯罪、学力など社会指標の改善につながる。4年前の大阪はひどかった。失業と生活保護が全国でも有数に多く、それが離婚、犯罪、自殺等に直結し、“貧すれば鈍する”状態にあった。

 今回、調べてみると企業収益、雇用、年収、健康、学力、犯罪などほとんどの指標が好転していた。例えば景気動向指数は09年から全国平均を大きく上回る形で次第に好転し、18年8月には130.9と全国(102.7)を28.2も上回った。有効求人倍率も13年に1.0を超え、2017年以降は全国平均を上回る。新規開業率も高く、2016年以降は東京、愛知や全国平均を大幅に上回る。オフィスの空室率は底値から76%も下がり、直近では2.96%だ。

 3大都市の地価上昇率では大阪市は4年連続1位を記録し、17年には全国の上昇率の上位から5位までを大阪市が独占した。大阪市への人口流入も続いており、2017年、大阪市は政令指定都市の中で最も人口流入が多かった。とめどなく増え続けていた生活保護の対象者も2012年をピークに減り始め、全国平均との差が縮まり始めた。平均寿命と健康寿命も大阪は全国でも最下位に近かったが、それぞれ伸び、全国平均との差が縮まり始めた。小中学生の学力テスト(数学・国語)の結果も好転し始めた。犯罪も08年の約半分に減った。そして府市の財政状況も依然、苦しいものの大幅に改善した。

4年前よりも成果が明確に

 こうした大阪の好転は、やはり「大阪維新」(08年2月の橋下知事就任から今日までの一連の動き)に由来するところが大きいと思われる。大阪府と大阪市の政治はこの10年間、おおむね大阪維新の会が主導してきた。同会が進めてきた改革は、たとえば府議会の定数を2割削減するなど大胆なものが多い。改革の対象も、いわゆる行政改革にとどまらない。教育や子育て支援策など国の政策改革を先取りした見直しや、長年滞っていたインフラ投資(鉄道新線建設や延伸)の再開など膨大な範囲とボリュームにのぼる。今回の改革評価の作業も府市の事務方と筆者が共同して行ったが、ほぼ半年以上かかった。

 府市が作った前回14年の改革評価では、「補助金や人件費の抑制など役所の改革、いわゆる行政改革は結構進んだ。しかし役所の外の大阪の街はまだまだ大変な状態」という総括がされた。だが、その後は2015年の再度のダブル選挙(橋下市長が退任し、吉村市長と松井知事の体制が誕生)以降、府市が一緒になって様々な都市の経営課題に取り組んできた。今回18年の改革評価ではその成果が数字で確認できた。