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 新入学シーズンを控えた2月から3月にかけて、例年大きな盛り上がりを見せるケータイの春商戦。だが今年2016年の春商戦では、2015年の総務省要請の影響によって端末の「実質0円」販売が姿を消すなど、大きな波乱が起きている。

 ここ最近のケータイ販売事情の動きをまとめながら、今年の春商戦に何が起きているのかを確認しよう。

 料金割引から「データ増量」に変化

 ケータイの販売がもっとも盛り上がるシーズンは、ボーナス商戦の夏や冬ではなく、2月から3月である。その理由は、新入学シーズンを迎える学生が新たにケータイを契約することが多く、そのぶん新規契約者を獲得しやすいからだ。

 そうしたことから、毎年この時期は大手キャリア各社がさまざまなキャンペーンを行い、販売合戦が過熱する。先にも触れた通りターゲットは学生とその家族となることから、大手ケータイキャリアは毎年このシーズンに学生向けの割引キャンペーン、つまり「学割」に力を入れる。

 だが今年、大手キャリアが打ち出してきた学割を見ると、その内容が今までと比べ大きく変化している。

 これまでの学割は、新たに端末を購入した学生本人とその家族のケータイ料金を、数年間大幅に割り引くというのが一般的であった。だが今年の学割は、割引よりも、高速データ通信容量の増量に力が入れられている。

 例としてソフトバンクの「ギガ学割」を挙げると、25歳以下の利用者が新規契約、あるいは番号ポータビリティ(MNP)で他社から乗り換えて、対象となるケータイやスマホを購入した場合、36カ月間データ通信容量料を毎月6GB分もらうか、従来通り通信料金を24~36カ月割り引く(プランによって期間と割引額は異なる)かの、いずれかを選べる仕組みとなっている。

ソフトバンクは今年の学割「ギガ学割」で、基本料の割引だけでなく、データ通信容量の増量も選択できるようにした。写真は1月12日の「ソフトバンクでんき」発表会より。なお、写真では100GBの増量となっているが、その後200GBに増量されている
ソフトバンクは今年の学割「ギガ学割」で、基本料の割引だけでなく、データ通信容量の増量も選択できるようにした。写真は1月12日の「ソフトバンクでんき」発表会より。なお、写真では100GBの増量となっているが、その後200GBに増量されている
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 NTTドコモの「ドコモの学割」や、auの「auの学割」も、内容に違いはあるものの、データ通信容量を大幅に増量することに力が入れられている。なぜ学割の内容が、データ通信容量の増量に力を入れるようになったのかというと、そこには最近の学生のスマホ利用状況が大きく関わっている。

 最近はスマホでのデータ通信速度が非常に高速化していることから、若い世代を中心として、YouTubeをはじめとした動画サービスが高い人気を獲得している。動画はテキストや画像と比べはるかに通信量が大きいことから、頻繁に視聴することで、契約している通信量を使い切ってしまう若者が急速に増えている。

 データ容量を求める若者の不満に応え、大手キャリアは新しい学割で、高速データ通信容量の増量に踏み切った。料金の安さよりも高速データ通信容量が大きく影響してくるというのは、大きな変化といえるだろう。

ソフトバンクの調査によると、利用可能な高速データ通信容量を超えないよう意識している10代スマホユーザーの割合は、7割近くになる。写真は1月12日の「ソフトバンクでんき」発表会より
ソフトバンクの調査によると、利用可能な高速データ通信容量を超えないよう意識している10代スマホユーザーの割合は、7割近くになる。写真は1月12日の「ソフトバンクでんき」発表会より
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