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 スマートフォン時代になって海外の動向と歩調を合わせるようになってきた日本の携帯電話市場が、また独自色を強めつつある。この背景をモバイル専門ライターの佐野正弘氏が読み解く。

 スペイン・バルセロナで開催された、世界的な携帯電話の見本市イベント「Mobile World Congress 2015」。毎年このイベントに合わせて、スマートフォンの最新機種など多くの端末が展示される。

 だが、今年2015年の傾向を見ると、スマホ新機種の多くが日本市場と縁の薄いものになってきており、海外と日本の携帯電話市場が再びかい離しつつあることが見て取れる。その背景に迫ってみよう。

日本市場に影響を与えるスマートフォンが減少

 Mobile World Congress(以下、MWC)は、携帯電話・モバイルに関する世界最大のイベントであり、世界中の携帯電話関連事業者が集結するイベントだ。ここで発表される発表された端末や技術、サービスなどが、その年の携帯電話業界全体の動向を決める重要なイベントとして、世界中から大きな注目を集めている。

 最近は、日本のスマホ市場の動向を占う上でも、MWCは重要なイベントとなっていた。ソニーモバイルコミュニケーションズやサムスン電子など、多くの端末メーカーがこのイベントに合わせて新しいスマートフォンを発表し、それが日本市場にも積極投入されていたのに加え、最近ではKDDIが対応機種を投入したFirefox OSや、結果的にNTTドコモが採用を見送ったTIZENなど、新しいスマホ用プラットフォームに関する大きな発表もなされていたからだ。

 だが今年のMWCに合わせた各社の発表を見ると、日本市場にもマッチしたスマートフォンを積極投入したのは、曲面ディスプレイを採用したフラッグシップモデル「GALAXY S6 Edge」などを投入したサムスン電子のみ。ソニーモバイルはスマートフォンのフラッグシップモデル投入を見送り、日本市場に関連するのは高性能タブレット「Xperia Z4 Tablet」のみとなったほか、他の主要スマートフォンメーカーも日本市場への投入を意識したモデルの投入は見られなかった。

 無論、MWCは世界的なイベントであることから、日本市場に限った展示だけがなされる訳ではない。だが今回の各社の発表を見ると、日本市場に大きな影響を与える発表や展示は、従来よりも確実に減少していると感じる。つまり、フィーチャーフォン時代は独自色が強く、スマートフォン時代になってようやく海外の動向と歩調を合わせるようになってきた日本の携帯電話市場が、再び離れつつあることを意味しているといえよう。

今回のMWCで発表されたスマートフォンのうち、日本市場への投入が期待されるのは、サムスンの最新フラッグシップ「GALAXY S6」「GALAXY S6 Edge」など数が少ない
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今回のMWCで発表されたスマートフォンのうち、日本市場への投入が期待されるのは、サムスンの最新フラッグシップ「GALAXY S6」「GALAXY S6 Edge」など数が少ない
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今回のMWCで発表されたスマートフォンのうち、日本市場への投入が期待されるのは、サムスンの最新フラッグシップ「GALAXY S6」「GALAXY S6 Edge」など数が少ない

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