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端末にも大きな変化をもたらしたiモードの存在

 iモードは携帯電話でのインターネット利用を広げ、後に世界的に普及した「絵文字」の基礎を作った。また、「着メロ」「待ち受け」などの人気コンテンツと、それらを提供する多くのベンチャー企業を生み出す素地を作った。そのため、モバイルインターネットの立役者として語られる場合が多い。しかし実は、携帯電話端末自体の発展にも非常に大きな影響を与えている。

 中でも大きいのが、“折り畳み”型の携帯電話端末の人気を高めたことだ。このスタイルは現在のフィーチャーフォンにも受け継がれており、長く愛好されている定番のデザインとなっている。

NTTドコモの最新フィーチャーフォン「SH-01J」「P-01J」も折り畳み型を踏襲しているが、このスタイルが広まったのにはiモードの存在が大きい。写真は10月19日のNTTドコモ新サービス・新商品発表会より
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NTTドコモの最新フィーチャーフォン「SH-01J」「P-01J」も折り畳み型を踏襲しているが、このスタイルが広まったのにはiモードの存在が大きい。写真は10月19日のNTTドコモ新サービス・新商品発表会より
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NTTドコモの最新フィーチャーフォン「SH-01J」「P-01J」も折り畳み型を踏襲しているが、このスタイルが広まったのにはiモードの存在が大きい。写真は10月19日のNTTドコモ新サービス・新商品発表会より

 iモード以前の携帯電話端末は音声通話がメーンだったことから、軽量・コンパクトを追求したストレート型の端末が人気だった。だが、iモードの登場により、音声通話に加え、メールの読み書きやWebコンテンツの閲覧にも使われるようになったことで、画面が大きく見やすいことが求められるようになった。その結果、キー部分とディスプレー部分を分け、ディスプレーを大型化した折り畳み型の端末の人気が爆発的に高まったのだ。このことは、日本の端末の歴史にとって大きな変化だ。

 加えて、NTTドコモは、折り畳み型以外のiモード対応端末の開発にもチャレンジしてきた。ディスプレー部分を上にスライドするとキーボードが現れる「スライド型」や、ディスプレーを回転して横画面での利用が可能な「スイーベル型」、さらには、ノートパソコンのようにキーボードを備え横画面で利用できる端末、ディスプレーとキーを分離できる端末、スマートフォンのようにタッチ操作が可能な端末などだ。

ユニークなiモード端末の1つに挙げられるのが「F-04B」。スライド型の端末のようで、キーボード部分を分離して利用できることが注目された。写真は2009年11月10日のNTTドコモ新商品・サービス発表会より
ユニークなiモード端末の1つに挙げられるのが「F-04B」。スライド型の端末のようで、キーボード部分を分離して利用できることが注目された。写真は2009年11月10日のNTTドコモ新商品・サービス発表会より
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iモード端末の中には、Windows 7も搭載するなどかなり意欲的にチャレンジした「F-07C」なども。写真は2011年5月16日のNTTドコモ新商品・新サービス発表会より
iモード端末の中には、Windows 7も搭載するなどかなり意欲的にチャレンジした「F-07C」なども。写真は2011年5月16日のNTTドコモ新商品・新サービス発表会より
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 スマートフォン時代になって、端末のデザインは“板”ともいうべき、タッチパネルを搭載したストレートタイプのものに固定されてしまった。しかし、iモードの全盛期は、非常に多様なデザインの端末が登場し、市場を盛り上げていた。