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通信事業者の役割が薄れる?

 クラウド事業者はこぞってCDNをメニューに組み込み、パフォーマンスを向上させつつ、CDNのトラフィックを料金面で優遇するなどして、コストの課題に対応している。これは、クラウド事業者にとって弱みとなる通信機能を、通信サービス利用以外の方法で補完するものと言える。そもそも、クラウドとCDNには共通性がある。共用サーバーをインターネット上の複数箇所に設置して一元的に管理し、効率的なリソース利用を実現するという意味では、現在クラウドで実現されていることの一部は以前からCDNで行われていたとみることもできる。

 一方の通信事業者からすれば、クラウド+CDNによる通信効率化もソフトウエア化による通信サービスコスト低減の動きの一つと言えるだろう。通信の制御に当たる部分を通信事業者以外の企業が(ソフトウエアベースで)提供することにより、通信事業者が担ってきた役割を奪うものとみることもできる。

 こうした動きが加速すれば、通信事業者が法人ユーザーにエンドツーエンドで通信機能を提供する役割はますます薄れ、極論すれば、法人ユーザーが通信事業者に依存するのは、クラウドやWANに接続するための各拠点でのアクセス回線だけということにもなりかねない。通信事業者はこのような仮想化・高度化の動きを単に脅威とみなすだけでなく、自社・他社サービスを戦略的に組み合わせてサービスを提供する必要があるだろう。