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 韓国サムスングループの強さと弱さを、人事や組織、給与、待遇といった観点で解説した企業本である。「世界にないものをいまだかつて創造していない」と言われるサムスンが、なぜスマホや薄型テレビで世界1位、半導体で同2位のシェアを取れたのか。本書を読むと納得がいくだろう。マーケティングや技術の話はほとんどなく、ただひたすら「サムスンとはこういう会社である」という等身大の姿が対談形式で語られていく。

 経済ジャーナリストの片山修氏が聞き手として率直な疑問をぶつけ、グループのシンクタンクであるサムスン経済研究所の専務まで務めた張相秀氏が実直に答えるスタイルは、200ページを超える本書を楽々と読ませてくれる。タイトルにもあるようにサムスンは今、スマホ事業の急激な悪化と2代目会長の入院・療養による経営上の危機を迎えている。サムスンのこれからも、再生中の日本企業が学ぶところが多そうだ。


サムスン・クライシス
張相秀/片山修 著
文芸春秋発行
1404円(税込)