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 ソフトバンクの孫正義社長は、はたして歴史に名を残す経営者となれるのか─。このような観点からソフトバンクならびに孫社長を真正面から分析した書。ソフトバンクの現状の課題としては(1)米スプリントの苦戦、(2)事業構造の急拡大、(3)国内事業の成長鈍化の3点を指摘する。多忙の孫社長はメディアへの露出が減りつつある中、密着取材に基づいて本人の生の声を多く収録した点が特徴だ。

 ロボット事業をはじめ、米国と国内の通信事業、エネルギー事業の実態に詳しいが、後半の孫社長による歴史上の人物評が興味深い。圧巻は、巻末に収録されたファーストリテイリングの柳井正会長兼社長のインタビューである。柳井氏はソフトバンクの社外取締役を長年務め、経営者としての孫社長を最もよく理解している人物。互いに尊敬し合う仲だからこそ、柳井氏の指摘は厳しくて重く、思わずうなってしまった。


孫正義の焦燥
大西孝弘 著
日経BP社
1620円