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 スマートフォンの普及が進み、モバイル市場は激変の波にさらされている。多くのユーザーはパソコン経由での時間以上に、スマートフォンで時間を費やす。スマートフォンという世界共通のプラットフォームは世界中でディスラプティブ(破壊的な)サービスを生み出し、容赦なく大企業に詰め寄ってくる。こうしたトレンドの中で2015年、企業はどうすればこうした激変するトレンドに対応できるのか。ガートナー、リサーチ部門バイスプレジデントのイアン・フィンリー氏に話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経コンピュータ)


ガートナー、リサーチ部門バイスプレジデントのイアン・フィンリー氏
ガートナー、リサーチ部門バイスプレジデントのイアン・フィンリー氏
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今起きているモバイルトレンドをどう見ているか。

 第一世代のスマートフォン向けアプリは消費者向けのものが多かった。比較的小さいプレーヤーからこうしたアプリが出ていたが、現在ではその主役が大企業に代わっている。

 大企業は多くの従業員を抱えているため、この領域にようやく出てきた。消費者向けのトレンドは変わらないが、大企業スマートフォンアプリを提供するというトレンドが起きている。

モバイル専業で次々と新たな企業が勃興している中で、従来のPC向けに事業を展開してきた大手IT企業の将来は。

 最近の動向でも見られるように、モバイル専業企業は次々と大手企業に買収されている。IBM、SAP、マイクロソフト、アドビシステムズといった大企業は資金力が豊富なため、こうした企業を取り込んでいける。

 当然だが、モバイル分野はモバイル+デスクトップ市場と比べると小さい。今後、モバイルがすべてを席巻することはなく、デスクトップ市場にモバイル市場が加わっていくだけだ。

モバイルによる破壊的イノベーションとしてハイヤー配車アプリの「Uber」を挙げている。こうしたプレーヤーの登場に対し、既存のプレーヤーは今後、どう対処すべきか。

 これはまさに物理的な店舗を持つ書店と米アマゾン・ドット・コムの関係を見ればいい。アマゾンの登場によって、既存の本屋はネット販売を開始した。本の場合だと家のパソコンから購入するが、タクシーやハイヤーは家にいるときは基本的に関係がない。つまり、Uberはパソコンだけでは生まれなかった新しいサービスだ。モバイルがあったからこそ生まれたサービスと言い換えてもいい。

 アマゾンが本屋に多大な影響を与えたように、Uberは既存のタクシー会社に影響を与えつつある。日本では既存のタクシー会社がUberのような配車アプリを提供している。つまり、果敢にスマートフォンに打って出ることで自らのビジネスを守れるはずだ。逆にUberが提供しているような簡便性、利便性を提供できないタクシー会社はマーケットから追い出されてしまうだろう。