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 ERP(統合基幹業務システム)に代表される基幹系システムは、オンプレミス(自社所有)環境のなかでも、性能や可用性などの要件が厳しく、パブリッククラウドへの移行が難しい“ラスボス(最後の強敵)”といえる存在だ。基幹系システムを取り込めば、連携する他のシステムも付いてくるため、クラウドサービス事業者による争奪戦が勃発している。やや先行した感のある米アマゾン ウェブ サービス(AWS)に対して、米マイクロソフトと米オラクルが攻勢を掛け始めた。

米マイクロソフト Cloud and Enterprise Groupゼネラルマネージャーのマーク・ソウザ氏
米マイクロソフト Cloud and Enterprise Groupゼネラルマネージャーのマーク・ソウザ氏
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 マイクロソフトは2017年1月16日、クラウドサービス「Microsoft Azure」の東日本リージョンにおいて、大容量メモリーを搭載した仮想マシンインスタンスである「Gシリーズ」を提供開始した。Gシリーズが搭載するメモリー容量は最大0.5TBで、Azureの現行仮想マシンシリーズで最も大きい。欧州SAPのERP製品や大規模データベースなど、企業の基幹系システムの用途に適しているとする。

 米国のリージョンでは2015年1月に、Gシリーズを提供開始済み。約2年遅れての提供開始について、日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 業務執行役員 本部長の佐藤久氏は、「サービスを出しても利用者がいなければ意味が無い。日本で基幹系システムをクラウドに移行する動きが出てきた今が、適切な提供開始時期だ」と語る。

 米マイクロソフトでCloud and Enterprise Groupのゼネラルマネジャーを務めるマーク・ソウザ氏は、「SAPのERP製品などに向けたクラウド基盤として、Azureが優位に立てるように力を入れている」と話す。そのうえで、SAPと20年以上の協業関係があることを強調する。

一筋縄ではいかないERP

 ERP用途に向くとするGシリーズではあるが、全てのワークロード(負荷)に対応できるわけではない。Gシリーズには5種類のインスタンスがあり、顧客ごとに分離した専用ハードウエアとして提供する最上位の「G5」は、32コアのCPUと0.5Tバイトのメモリーを備える。Premium Storageと呼ぶ、I/O性能の高いSSD(Solid State Drive)を組み合わせた「GSシリーズ」も提供する。最上位である「GS5」のストレージIOPS(1秒間のI/O処理件数)は、最大8万IOPSだ。