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 「5Gは必然的に設備投資をコントロールしながら導入できる。安心してほしい」ーー。NTTドコモの尾上誠蔵取締役常務執行役員は、記者の問いかけに、このように語った。

写真1●NTTドコモの尾上誠蔵取締役常務執行役員
写真1●NTTドコモの尾上誠蔵取締役常務執行役員
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 既報の通り、Mobile World Congress 2017に合わせて、NTTドコモや米AT&Tなど世界の通信事業者/ベンダー22社は共同で第5世代移動通信システム(5G)の早期仕様策定に向けた共同提案に合意。それを受けて、携帯電話の標準仕様を策定している「3GPP(Third Generation Partnership Project)」は2017年3月9日、5Gの無線方式である「5G NR(New Radio)」の新たな仕様策定スケジュールを従来から前倒しし、LTEとの併用を前提としたNSA(Non-standalone)と呼ばれる5G NRの仕様策定を2018年3月までに完了するスケジュールとすることを正式決定した。

 NTTドコモは5Gの仕様策定の前倒しを呼びかけた1社である。「オリンピックは大きなユースケースであり、ショーケースであるため、NTTドコモとしては2020年に5Gの商用化を実現したい。2020年の5G商用化をより確実なものにするために、1年前から前倒しの議論を始めた」と尾上常務は打ち明ける。

 ドコモは、NSAの5G NR仕様だけでも、先行して仕様化するように3GPPに提案していたが(編集注:3GPPではNSA仕様に加えて、5G単独で動作するスタンドアローン(SA)仕様も検討されている)、これまでは反対意見が多く、提案は通らなかったという。しかし話し合いを進める中で、「ようやく賛同者が増えてきた。今回の合意によって、5G商用化の前倒しが可能かといえば可能。後は安定性や展開規模などから、商用レベルかどうかの判断だけになってきた」と尾上常務は続ける。

 ここに来て、業界が一丸となって5Gの仕様策定の前倒しに動いた背景には、5Gへの期待が高まっていることがある。5Gは性能的にもビジネスの広がり的にもポテンシャルは大きい。5Gは通信を超えた興味を集めており、新たなビジネスの機会を生み出すからだ。