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 米スタンフォード大学の教授によって設立された「Coursera」や、米マサチューセッツ工科大学と米ハーバード大学によって設立された「edX」など、大学の授業が誰でもオンライン経由で受けられる「MOOC(Massive Open Online Courses:大規模オープン・オンライン・コース)」が広がっている。

 教育×ITは「EdTech(Education×Technology:エドテック)」とも呼ばれ、注目されている新トレンドの1つである。国内でもNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが2014年4月に日本版MOOCとして「gacco」を開始した。

 だが、小学校や中学校といった義務教育機関、そして高等教育の現場におけるIT導入はスムーズに進んでいるとは言いがたい。例えば、佐賀県では2014年4月より教育委員会が県立高校1年生全員にタブレットPCを購入させて授業に導入したものの、教材のファイルがそもそもダウンロードできないなどのトラブルが発生。課題も浮き彫りになっている(関連記事:佐賀県の教材ダウンロード障害にみる、教育ICT3つの課題)。

 こうした教育×ITの現状と課題について、米エバーノート日本法人会長の外村仁氏とNTTドコモのスマートライフビジネス本部ライフサポートビジネス推進部教育事業推進担当課長の伊能(いよく)美和子氏に話を聞いた。

2015年3月10日にエバーノートがgaccoで講座を開設した。この狙いについて教えてほしい。

写真1●日本版MOOC「gacco」を主導するNTTドコモ、スマートライフビジネス本部ライフサポートビジネス推進部教育事業推進担当部長の伊能美和子氏
写真1●日本版MOOC「gacco」を主導するNTTドコモ、スマートライフビジネス本部ライフサポートビジネス推進部教育事業推進担当部長の伊能美和子氏
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伊能美和子氏(以下、伊能氏):今回、開始したのはエバーノートが提供するクラウドサービス「Evernote」の使い方講座映像です。通常月額450円で提供する有償サービス「Evernoteプレミアム」の3カ月分が付与されるということもあり、初日の登録者数は3000人を超えました。これは他の講座では見られなかった初速です。

外村仁氏(以下、外村氏):狙いは2つあります。Evernoteをそもそも知らない人にとってすぐに役立つ講座ですし、前から細々と使っていた人にとっても知らない便利な機能を知ってもらうという狙いがあります。

伊能氏:今は単に講座でEvernoteを紹介しているだけですが、今後、API連携も視野に入れています。これまでも講座受講者がネット掲示板に手書きのノートをカメラで撮影して上げている人がいました。EvernoteとMOOCはとても相性が良いと思い、1年半前から検討してきました。ようやく一歩、踏み出せた形です。

検討期間が長過ぎないか。

写真2●米エバーノート日本法人会長の外村仁氏。米サンフランシスコに在住
写真2●米エバーノート日本法人会長の外村仁氏。米サンフランシスコに在住
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外村氏:Evernote、gaccoともに学び好きのユーザーを抱えています。単にノートを取るだけでなく、取ったノートを採点してもらったり、シェアしたりすることで学びのモチベーションは大幅に向上します。深みのある勉強につながるわけです。そのためにもインテグレーションしましょうと話をしていたのですが、なかなか動き出せなかった。ならば、まずはストレートに講座をやってみればいいのではないかというところに落ち着きました。関連する自分のノートがgaccoのサイト上に表示されれば便利ですし、逆にEvernoteのノートにgaccoの講座が出てくると便利です。いずれこうした機能を追加できればと思っています。