PR

掲げる理想、現実的な打ち手

 LINE Payはサービス開始からこれまで、主に利用者間で送金し合う「個人間送金」とオンライン決済の両軸に力を注いできた。だが、個人間送金の需要の掘り起こしには苦戦していたようだ。

 「(個人間送金は)市場は伸びており未開拓の領域が大きい。苦戦の理由にはならない。情報感度の高い人が使っているので現時点で否定的な障壁はない」(LINE Pay事業戦略室の久保渓氏)。加えて、オンライン決済ではあえてLINE Payを利用する強い理由が存在しなかった。残るオフラインでの決済環境をどう整えるかがLINE Payの今後の成長のカギを握っていたといっていい。

 だが、スマホだけで決済が完結するための環境を待つのは得策ではないと考えたようだ。「現状では決済やチャージ(入金)する環境の準備、端末依存の問題、リーダー端末の普及という問題がある」(LINEの舛田氏)。

 LINE PayはLINE社内のカフェでQRコード決済を試験導入しており、2016年4月以降はリクルートライフスタイルが店舗向けに提供するPOS(販売時点情報管理)レジアプリ「Airレジ」でQRコード決済を可能にするなど、スマホ完結型の決済環境の整備に動いている。だが、それでもAirレジのようなタブレット端末を使ったPOS環境はQRコード決済に対応しやすいものの、普及にはまだ時間がかかる。

 「現実的に考え、中間的な施策としてプラスチックカードを導入した。これによってLINE Payがはるかに使いやすくなるというのは事実だ。もともと我々はLINEだけですべての決済が完了するということを目指しているが、そこに至るには時間がかかる」(LINEの舛田氏)。

 LINE Pay カードはあくまでも過渡的な位置づけ。だが、このある種、割り切った戦略がLINE Payの活路を大きく開いた。

 国内で初めてFacebook利用者間で互いの口座情報を知らなくても送金できる「Facebookで送金」サービスを2014年8月に開始した楽天銀行は、「LINE Payはオフラインでの決済環境が少なく、かつ電子マネーのためチャージしても外には出られない。楽天銀行の送金サービスはATMで下ろしたり、振り込んだりできる現金ならではの流動性の高さがある」(楽天銀行)とLINE Payと比べた優位性を語っていた。