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 費用が高いという点では、MVNOが「フルMVNO」として加入者管理機能を保有できるHLR/HSS接続も課題である。NTTドコモが提示している網改造料は「数十億円」(業界関係者)。このうち、電話番号の管理システムだけで約8億円とされる。MVNOがSIMカードを独自に発行できるようになっても、そもそも電話番号を割り当てられていないため、NTTドコモから借りなければならない。この管理に費用がかかるというのだ。電話番号という“既得権益”を使って参入のハードルを引き上げているようにも見え、総務省はMVNOに電話番号を直接割り当てることを検討している。

 総務省は2017年1月中旬まで、MVNOへのアンケートを実施した。電気通信市場の状況を分析・検証するためだが、MVNOの不満や課題などを吸い上げ、今後の施策の検討に役立てる狙いがある。アンケートは10ページにわたって細かい質問がずらりと並び、すべて文書形式で答える“ヘビー”な調査だ。1月下旬~2月中旬には主要MVNOへのヒアリングも実施した。

 この結果、やはりと言うべきか、MVNOの不満はUQコミュニケーションズの「UQ mobile」に集中した。「KDDIは広告宣伝費やテザリング機能の利用可否などでUQ mobileを優遇しており、不当な差別的取り扱いに当たる」というものだ。総務省は既に携帯電話大手3社を事情聴取済み。7月をめどに報告案を作成する予定だが、これを受けてどのような施策を展開するのかが注目となりそうだ。KDDIはUQ mobileを優遇した事実はないとしており、テザリングの問題(UQ mobile以外のMVNOで利用できない)も近いうちに解消するとみられる。