PR

 空き施設仲介のベンチャー企業スペースマーケットは4月末にも民泊事業に参入する。訪日外国人の増加で民泊に注目が集まる中、同社は日本人客に狙いを定める。見本市やライブコンサートなど大規模イベントで取りこぼしている日本人客の需要が多いと判断。主力事業であるレンタルスペースの貸し出しとの相乗効果も高められるとみて参入を決めた。

 「日本人が日本人に貸し出す民泊は間違いなく伸びる。訪日外国人の増加でむしろ日本人向けの宿泊施設の不足が深刻。民泊でカバーせざるを得ない」。スペースマーケットの重松大輔社長は、こう力を込める。

古民家などでの会合と宿泊をセットで提供する
古民家などでの会合と宿泊をセットで提供する
(出所:スペースマーケット)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は全国にある商業施設や民家と、これらを利用したい企業や個人をネット経由でマッチングするサービスを手掛ける。同社のWebサイトに登録されている施設は、一般的な住宅から飲食店、古民家、結婚式場や劇場、地方の文化施設から果ては無人島まで多彩だ。登録施設数は4700件を超える。

 主な用途は企業の研修や学生のイベント、結婚式やパーティーなど。施設の持ち主は未稼働の時間を減らして収入を得ることができ、利用者側はありきたりな会議室や研修所ではない場所で会合を開ける。

 4月末にも始める民泊サービスは、こうした既存の施設マッチングサービスと組み合わせて「昼間の会合と夜の宿泊をセットで提供する」(重松社長)ものだ。例えば昼間に古民家で企業の研修を実施し、夜はそのままそこに宿泊する。

 現在は宿泊できない施設ばかりであるため、利用者は日帰りしたり別のホテルや民宿に移動して泊まったりしている。交通が不便な場所に位置する施設もあり、宿泊のための移動に時間がかかるケースもあるという。「せっかくだから泊まりたいという利用者は多いが、今はお断りしている。需要を取りこぼしている」(重松社長)状態だ。

 民泊は訪日外国人、いわゆるインバウンドの増加で注目が集まるサービス。代表的な事業者が米エアビーアンドビー。観光地を中心にインバウンドが増えて宿泊施設が足りなくなり、民泊用途に自宅を貸し出す個人が増えている。

 重松社長が狙うのは日本人向けの民泊。施設でのイベントと宿泊を組み合わせる工夫で、同社の既存サービスを補完する。新たな需要も掘り起こせるとみる。