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 カルビーは2016年3月、10年以上使い続けてきた基幹システムから脱却した。4月から本番稼働を開始したのは、欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)のパッケージソフトウエア製品「SAP Business Suite powered by SAP HANA」だ。それまで使用していたのは、同社の「R/3」。アドオン(追加開発)のプログラムが2013年時点で4940本にまで膨らんでいた。システム刷新に合わせて業務を整理。アドオンのプログラムは約100本まで減らした()。

図●アドオンプログラムを98%削減した
図●アドオンプログラムを98%削減した
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 システム刷新のきっかけとなったのは、ソフトウエア、ハードウエアの保守サポート切れだ。「レガシー」な基幹システムから脱却する必要があった。

 カルビーがR/3を使い始めたのは1997年。「国内でSAPを利用し始めた先行企業のうちの1社だった」(田中氏)。バージョンはR/3の3.0dだ。その後バージョンアップは2002年に一度だけ。4.6cに切り替えてから10年以上、同バージョンを使い続けてきた。2015年時点で、「R/3 4.6c」とサーバーの「HP rx 8620」の通常サポートは終了していた。

写真●カルビー 情報システム本部情報システム部システム企画課 の田中良氏
写真●カルビー 情報システム本部情報システム部システム企画課 の田中良氏
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 「システム刷新に合わせて、業務の簡素化と標準化に徹底的に取り組むことにした」。カルビー 情報システム本部情報システム部システム企画課 の田中良氏はこう振り返る(写真)。

 膨れ上がっていたアドオンプログラムを減らすことで、コスト削減効果を狙う。運用・保守にかかる費用や「新規投資案件のコスト低減も含めて、10~15%程度のITコスト削減を見込む」(田中氏)。

 10年以上にわたって使用してきた基幹システムは老朽化が目立ち、アドオンの多さに起因する不具合が発生することもあったという。こうした不具合も減らし、「安定稼働を維持できた」(田中氏)。

 プロジェクト開始当初は、ERP 6.0にバージョンアップする計画だった。しかし「業務の簡素化、標準化」を徹底するために、これまで使っていたパッケージを捨てる決断に踏み切った。

 SAP Business Suite powered by SAP HANAは、SAPのインメモリーデータベース「HANA」上で稼働する。集計作業の処理性能を大幅に向上させる効果も得られた。例えば、仕入れ集計の作業だ。45分かかっていた作業が、3秒で済ませられるようになったという。