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 年末年始は、様々な業界で「予測」や「展望」について論じる記事が必然的に多くなる。これは日本に限ったことではなく、米国でも変わらない。例えば、全米広告主協会では、昨年秋に米マッキンゼー・アンド・カンパニーと共同で発表した「Marketing Disruption(マーケティングの混乱)」と題されている調査結果を基に、今後のマーケティング業界に起こる変化について論じている。

 これを読み解いていくと、今後企業のデジタルマーケティングにおける「直近の」課題や、取るべきアプローチが見えてくる。まず、課題として強く認識されているのが「マーケティング活動そのものの細分化と複雑化」「新しい技術への対応の遅さ」「モバイルへの対応」「競合他社の急速なデジタル化」「ビッグデータの高度な分析」といったものだ。

 特に「マーケティング活動そのものの細分化と複雑化」は、非常に大きな課題として考えられている。これはオンライン、オフライン問わず、消費者の購買行動やプロセスにおけるタッチポイントが増加し、かつ、これらのパフォーマンスが細かく測定・分析可能な状態になったことによる。その中でも、特にスマートフォンやタブレットなど、モバイルデバイスが関わる部分が多くなるため、「モバイルへの対応」が、どの企業にとっても重要な課題の一つとして考えられている。

 こうした中、企業は、いかに自分たちが競合他社に対してアドバンテージを取るかということを常に考えてはいるものの、なかなか思うように進まず、代わりに「競合他社の急速なデジタル化」が大きな課題として存在しているのが現状だ。

 実際、「今年最も積極的な投資が行われる領域」については「モバイル」という回答が最も多く85%となっており「新規コンテンツ制作をはじめとした、新しいカスタマー・エクスペリエンスの提供」「コンテンツのパーソナライズ」「ビッグデータの分析環境構築」が、その後に続く。また、CMO(Chief Marketing Officer=最高マーケティング責任者)の、およそ75%が「今後3年以内にマーケティング組織をサイロ化されたものから連携を重視したものに作り変える」と回答している。

 しかし、だ。これらは既に、ここ数年の間、「直近の課題」として語られてきたものだ。実際にデジタルマーケティングに携わっている方々からすれば「また同じことを言っている」という感想を持たれるかもしれない。依然として、これらが「直近の課題」として上位に挙げられているということを考えると、マーケティング活動における課題は、根本的な解決がなされないまま来ていることが分かる。