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 デジタルマーケティングの舞台は、現在、IoT(Internet of Things = モノのインターネット化)の普及によって、どんどん拡張していると言ってもいい。パソコンやモバイルといったデバイスに限らず、あらゆるものがインターネットに接続することで、マーケティング活動における選択肢も大幅に増加する。

 というのも、IoTの普及は、求められるデータ、活用されるデータが変わってくることを意味するからだ。これまで、デジタルマーケティングにおいて活用されるデータは「Demographic Data(人口統計学的なデータ)」「Attribute Data(属性データ)」「Behavioral Data(オンライン上の行動データ)」が中心となっていた。だが、IoTの普及は、これらのデータに加えて「Physical Behavioral Data(物理的な行動データ)」をマーケッターの手に渡す。新たな分析対象として今後、価値を持つことになるのは明白だ。

 物理的な行動データが分析対象に加わることは、オンライン、オフラインを問わず、消費者の行動の多くがマーケティング分析の対象になるということを意味する。これはともすれば消費者のプライバシー問題にも発展しかねず、IoTのマーケティング活用に関する議論が活発化するのに伴い、その懸念も強まっている。

 FTC(米連邦取引委員会)は現地時間2015年1月27日、IoT関連のプライバシーとセキュリティに関するレポートを公表した。FTCは、10年ほど前から消費者プライバシー保護の分野で積極的に政策提案しており、その最新の活動として、このレポートがまとめられた形だ。

 FTCは、このレポートで、IoTの普及で享受されるメリットが少なからずあると認めている一方、セキュリティおよび消費者プライバシーの面において大きなリスクもあると指摘している。セキュリティ面では「不正なアクセスやデータの悪用が容易になる」「他のシステムを攻撃するための踏み台になりやすい」といった点を指摘し、プライバシー面では「データ収集環境の偏在化」「消費者に不利益を及ぼすデータの目的外利用」といった点を指摘している。