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 国際会計・コンサルティング企業の英プライスウォーターハウスクーパース(pwc)が、流通・小売業界に関する消費者調査をまとめたリポート「トータル・リテール2015」を先週発表した。サブタイトルに「小売り業界と、その混乱の時代」と付けられており、現在の小売り業界における象徴的な変化が4つにまとめられた形となっている。これらは「店舗の果たす役割の変化」「モバイルと関連テクノロジー」「ソーシャル・ネットワークの普及」「消費者属性」と分けられているが、すべてデジタルによって引き起こされているという点で非常に興味深い。

 まず、「店舗の果たす役割の変化」。この変化を一言で表すと「店舗は商品の現物を確認し、(それが自分に合い、かつ価格が安ければ)すぐに手に入れるための場になった」となる。この調査によると、消費者が実店舗に足を運ぶ理由の中で一番多かったのが「商品を見て触って試すことができるから」というもの。そして「商品をすぐに手に入れることができるから」という理由が続く。

 ただし、「実店舗で商品を見てオンラインで購入をしたことがある」と回答している消費者が約7割となっている。また、オンラインで商品を購入する理由として「実店舗よりも安価あるいは良い条件で購入できるから」という回答が最も多い。

 実際、米国の消費者でインターネットを日頃使う消費者の88%は、商品を購入する前にオンラインでの情報収集、いわゆる「ウェブルーミング(webrooming)」をしていると言われている。そして、モバイル端末の普及により、実店舗の中でウェブルーミングするようになっている。つまり、目の前の商品を試しながら、手元のモバイル端末を用いて、別のECサイトで購入を済ませてしまうというケースが増えているのだ。これが2つ目の変化である「モバイルと関連テクノロジー」だ。

 そして、こういった動きが店舗にとって深刻な影響を与えている。まず「客単価が減少した」という点。これは「店舗による衝動買いが少なくなった」ことに起因している。実店舗に来店する消費者の多くは「気になる商品を実際に見て触って試す」という明確な目的を持っているため、なかなか衝動買いを誘発させることができなくなってしまった。