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 テクノロジーやツールが進化し、それに伴う形で新しいメディアや広告、あるいはサービスなどが続々と生まれる中、デジタルマーケティングにおける手法や方法論も、絶えず新しいものが生まれてきている。毎年のように新しい「トレンド」が巻き起こるため、マーケッターは、常に自身のアンテナを張り巡らせながら、それらの波に乗り遅れないように必死になっている状況だ。今や企業としての活用も珍しくはなくなったソーシャルメディアも、かつては、そういう「トレンド」としての位置付けだったのを覚えているだろう。

 さて、このようにマーケッターが新しい「トレンド」を絶えず追いかけ続けることが、なかば当たり前であるかのように語られている近年のデジタルマーケティングの世界だが、現実は、こういった「トレンド」から少し離れたところがマーケッターの関心事になっているらしい。

 先週、全米広告主協会から「2015年・マーケッターの懸案事項」と題されて発表されたリポートによると、現在米国のマーケッターが一番気にかけているのは「トレンド」として語られているものではなく、ある意味「懐かしい響き」を持つものだ。その「懐かしい響き」を持つものとは「IMC(統合マーケティング・コミュニケーション=企業が発信する広告やPRをはじめとした、あらゆるマーケティング・コミュニケーション活動を、受け手である消費者の視点で再構築し、戦略的に統合する考え方)」である。

 今回、全米広告主協会会員企業のマーケッター(マーケティング業務に従事してきた平均年数は約16年、また回答者の約半数が部長職以上)を対象にした調査で、39%の回答を集めてトップとなっている。ちなみに2位以下を並べてみると、「正しい効果測定と、その説明責任(37%)」「強固なブランド構築(29%)」「製品やサービスにおけるイノベーション(26%)」と続く。

 IMCという概念が米国で提唱され始めたのは1990年代初頭と言われている。かれこれ20年以上経っているなかで、今になり再び懸案事項としてマーケッターたちが挙げる背景にあるのは、「デジタル」によってマーケティングチャネルが増えたという点だ。そして、これらのチャネルがさらに「デジタル」によって、容易につながるようになったという点が大きい。