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 マーケティングのデジタル化が進み、消費者のあらゆる行動が、データとして取得、収集可能になってきたが、これは企業にとって、顧客に関するデータが重要な収益源となることを意味する。多くの企業は、その収益源を少しでも潤沢なものにするために、様々な施策を展開している。例えば、ポイントカードやクーポン、店内で無料で使えるWi-Fiサービスなどだ。消費者は、企業が提供するサービスを利用し、その対価として、何らかの情報を提供するという構図が出来上がっている。

 だが、多くの消費者はこうして自ら提供する情報が、マーケティング目的に活用されることをあまり快く思ってはいないようだ。それは、先日発表された米ペンシルバニア大学アネンバーグ校のジョセフ・トゥーロー教授の論文にも表れている。

 『The Tradeoff Fallacy(トレードオフという考え方の誤り)』と題された、この論文では、米国内で約1500人の成人男女を対象に調査した結果がまとめられているが、これを読み解く限り、企業の消費者に関する情報収集活動は、消費者にとって決して肯定的に見られてはいない。

 例えば、「企業が、商品やサービスの質を向上させることを目的で、消費者に関する情報を収集、分析する」ことについて、良く思ってはいないと回答した割合は55%となっており、また、70%は「購買者のオンライン行動を調べるために、店舗で無料のWi-Fiサービスを提供するのはフェアではない」と回答している。さらに「企業は消費者に通知することなく割引サービスと引き換えに(消費者に関する)情報を収集するべきではない」という回答は90%を超えた。