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 前回、一般消費財メーカーのモバイル戦略が徐々に拡大していると述べた。この背景には、スマートフォンやタブレットPCといったデバイスが広く消費者の間に普及したことがある。

 現時点で米国成人の携帯電話所有率は約90%で、スマートフォン所有率は58%程度のようだ。また、米国のスマートフォンユーザーの約70%は、買い物中にスマートフォンを使用していると言われている。そこから様々な活用方法が生まれていることは、今さら説明するまでも無いだろう。

 米国調査会社のAltimeterが2014年8月に発表した「Digital Transformation(デジタルへの変革)」というレポートでは、デジタルへの変革は「テクノロジー」と、それによって進化する「消費者の行動」がカギを握っているとしている。では、特にモバイルという領域で一般消費者の意識はどのようになっているだろうか。7月に米PunchTab社が発表した「Mobile Tracking:Are Consumers Ready?(モバイルトラッキング:消費者の準備はできているか?)」というレポートを読み解くと、企業が進めているモバイル戦略への消費者の反応が見えてくる。

 このレポートの中心は、そのタイトルのとおり「モバイルトラッキング」になっている。これから企業がモバイル戦略を推進させる際に必要不可欠ともいえる施策の効果測定や分析に対し、一般消費者が持っている意識が俯瞰できるようになっている。

 モバイルトラッキングに対して米国の消費者の半数は、少なくとも否定的に考えている。一方で肯定的に考えている消費者が27%。どちらでもないと考えている消費者が23%となっていた。性別で比較すると、全般的に女性よりも男性の方がモバイルトラッキングに対して否定的に考えている傾向が強い。

 モバイルトラッキングに対して否定的に考える理由のうち、もっとも大きいものは「プライバシーに対する懸念」。代表的な意見としては、「メーカーや店舗が一個人のあらゆる行動に関する情報を持つ必要性があるのか?」といったものがある。続いて「(メールなどで)受けるメッセージの量が多くなる」「押し付けがましい印象がある」という回答が並ぶ。注目したいのは、プライバシーに対する懸念がモバイルトラッキングに否定的な理由の半数以上を占めているという点。つまり企業にとっては、消費者あるいは顧客のプライバシーに配慮を考えることが、モバイルトラッキング実践に当たっての最初のステップとなる。