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 米小売り業界における店舗のデジタル化が、ここ1年間で、これまで以上に加速している。8月、業界メディアの「Retail TouchPoints」が毎年実施している調査の結果が発表された。これによると、今年、米小売り業界企業の43%が、店舗運営に対して計上している予算を増額させたと回答している(ちなみに「前年と変わらない」と回答した企業は32%)。

 増額した予算の使い道として、今年目立っているのが「モバイルや新しいテクノロジーへの対応」といったもの。例えば、来店者に無料でWi-Fi接続ができるように店内のインフラ環境を整えたり、ビーコンを実装してマーケティング活動に役立てたり、といったことを目的として予算を計上しているケースが目立っている。

 実際、米国では今年に入ってから無料のWi-Fi接続サービスを提供する店舗が急激に増えた。店舗にとって「ネットにつながる」というのは、もはや必須要件となりつつある。今回の調査結果でも「店内で無料Wi-Fi接続サービスを提供している」と回答した企業は70%を超えているが、これは昨年の37%と比較すると、ほぼ倍の数字だ。

 このように、多くの店舗で、急にWi-Fi接続サービスが提供されるようになった背景として、消費者の店内における購買行動が変化した、という点が挙げられる。スマートフォンやタブレットを持ち、あらゆる場所でオンライン上の情報を検索し、入手することが当たり前になった消費者にとって、目の前に陳列してある商品の詳細情報をオンライン経由で入手できないのはネガティブにしか映らない。実際、無料Wi-Fi接続サービスを提供したことによって、顧客のロイヤルティーと売り上げが向上したと回答した企業は約半数に上る。「ネットにつながる」というのは、それだけ重要なことなのだ。