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 デジタル広告の市場規模が、テレビ広告を抜くのではないか。2015年7月末、米comScoreが今後のデジタル広告の成長に関する予測を発表している。これは広告市場規模という点で、デジタルが最も規模の大きなメディアカテゴリーになるということを意味する。

 ただし、テレビが急速に力を失うことを意味しているわけではない。むしろ米国のテレビ広告市場は、今後少なくとも2019年頃までは、現状に比してほぼ横ばいの状態で推移していくのではないかと予測されている。それに対し、デジタル広告の市場規模が、あまりにも急速に成長し続けており、来年、その成長曲線が、テレビのそれを追い越すのではないかという予測だ。

 実際、2014年時点での広告市場規模を比較すると、テレビが約660億ドル(約8兆円)に対して、デジタルが約490億ドル(約5兆9000億円)と、まだ約2兆円程度の差が見られていた。それが来年には、双方ともに約680億ドル(約8兆2000億円)程度の市場規模となると予測されている。わずか2年で、2兆3000億円拡大すると見られている。

 現在、デジタル広告が、これだけ急激に市場規模を拡大させている理由として、モバイルとソーシャルメディアという2つのキーワードが挙げられる。特に広告媒体としてのFacebookが、その地位を強固なものにしつつあるという点が非常に大きい。例えば、2015年のFacebookのディスプレイ広告の売り上げは約76億6000万ドル(約9200億円)と予測されているが、これは昨年に比して約45%の成長率となっている。

 これは、特に米国において「Facebookへの広告出稿」が、企業のモバイル広告戦略の中で重要な位置を占めるようになってきているという点にある。既に米国民の半分以上を占めると言われるスマートフォンユーザーに対してマーケティング活動を展開していく際、まず比較的安価で、かつある程度のターゲティングまでできるFacebook広告を活用するというやり方は、コミュニケーション設計において、もはや定番になっていると言ってもいい。これは、企業の「ソーシャルメディア関連予算」の80%以上が「ソーシャル広告費」として割り当てられている結果となっていることを考えてもわかるだろう(関連記事:「ソーシャルメディア担当者はいずれ不要になる」)。