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 前回、デジタルマーケティングにおける予算配分やROI(Return On Investment=投資対効果)の評価について、CMO(Chief Marketing Officer=最高マーケティング責任者)がどう考えているかを「The CMO Survey」の結果から考察した。今回はThe CMO Surveyの結果から、ソーシャルメディアに対するCMOの評価について考えてみよう。

 The CMO Surveyは、2008年以降の毎年2月と8月の年2回発表されているが、今回は従来のものと比較して、ソーシャルメディアに関する項目が非常に増えている。以前、企業のソーシャルメディア活用は具体的な結果を求められていると書いたが(関連記事:そろそろ結果を求められる企業のソーシャルメディア)、本調査結果でも「高まる期待」と「見えない結果」との間に立たされたCMOの苦悩が浮き彫りになっている。

 ソーシャルメディアに対する期待は、依然として高い。少なくともマーケティング予算に対するソーシャルメディア関連予算の占める割合を見る限りは、そういえる。

 現在ソーシャルメディア関連予算は、マーケティング予算全体の9%を占める程度である。ところがCMOたちは、これが今後1年で13%程度に増え、さらに5年後には21%を超えると予想している。これはB2B、B2Cを問わず、ほぼ同じ回答だ。

 しかし、人的リソースの投資については減少傾向にある。これまで、企業の「ソーシャルメディア担当者」の平均人数は2013年2月調査時で1.7人、同年8月調査時で2.4人、2014年2月調査時で4.1人と増加の一途をたどっていた。しかし今回の調査では、それが2.9人と急激に落ち込んだ。

 一方で外注リソースの平均は2.1人と変わっていない。ここから考えると、ソーシャルメディア戦略に携わる人数は単純に減ったという結果になる。

 これには、大きく二つの理由が考えられる。これまで担当者が直接手を動かしていた作業の多くがツールに置き換えられるようになった(つまりソーシャルメディア関連ツールの導入が進んだ)という点。そして、ソーシャルメディア戦略において広告の比重が高まったという点だ。

 特に「広告の比重が高まった」という点は、前述の「予算配分の増加」にも影響してくる。担当者をフル稼働させて、ごく一部の消費者と常時SNS上でコミュニケーションを取るよりも、広告としてある程度のコストをかけ、幅広いリーチを狙った方が(専任担当者をつけるよりも)ROIが高いと判断されたことで予算だけが増えたと考えられる。