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 2014年のブラック・フライデーのEC売上高の約30%はスマートフォン、もしくはタブレットPCなどのモバイルデバイス経由の売り上げとなっており、昨年の19%台から一気に伸びた。NRFの調査でも、全米の約40%のスマートフォンユーザーが「感謝祭週末」の期間中、スマートフォンを使って何らかの購買行動をしたと分析している。

 実際、モバイルデバイスによる購買活動は年々活発化している。米調査会社eMarketer社は、スマートフォン経由の売り上げが2018年までに348億ドルに達すると予測している。ECプラットフォーム構築を手がける米MarketLive社は、2014年の第3四半期のスマートフォンからのサイト流入が対前年比62%増で、収益も141%増という分析結果を明らかにした。

 一方で、今回の感謝祭週末の消費者一人当たりの平均支出額は推定で約380ドル(約4万6000円)となり、対前年比で6.4%の減少となった。全米消費者の総支出額は、もっと落ち込み、対前年比11%減の509億ドル(約6兆1800億円)となった。これもEC利用者増加の影響の一つと指摘されている。

 各小売店もしくはメーカーやブランドのECサイトは、一人でも多くの消費者を集客するために、セールの実施やクーポンの提供といった施策を打ち出している。ECサイトでは、消費者から簡単に競合との価格比較などができるため、販売価格が低めになる傾向にある。消費者には「ECで買うといつも安い」という状況が生まれており、それが結果的に感謝祭週末の売り上げをも落とす結果になっているという。

 米国では、これまで感謝祭週末に消費者の買い物が集中していたのが、セール時期の前倒しやECサイトの競争の激化などによって、広く分散されることになったとも言えるだろう。

 実際、今年の感謝祭週末の売上高は減少したが、単に年末商戦の売り上げが広く分散されただけという見方が強い。そのため、年末商戦全体で見た時の売上高は、対前年比で4.1%増加するのではないかとNRFは予測している。

熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)
アドビシステムズ ソリューションコンサルタント
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、マイクロソフトに入社。企業サイト運営とソーシャルメディアマーケティング戦略をリードする。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括。2013年4月から現職。