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 前回のBさんは、外資系営業の殺伐とした「荒野のガンマン」の世界で空しさに耐えきれなくなり、うつ病になり戦線離脱してしまったが、今回登場いただくCさんは、その殺伐とした世界は、自分が最初に就職した日本企業よりもフェアな世界であり、やりがいのある環境だと言う。

 Cさんは、高校卒業後、オフィス機器販売会社に入社。社内ナンバー1の営業成績をあげ、その実績で外資系IT企業に転職した。その後、数社を渡り歩き、行く先々で優秀な営業成績を上げた。現在は、中堅の外資系IT企業で、英語が全くダメながらも取締役営業統括本部長を務める。典型的なタタキあげ営業で、一時的に落ち込んだり悩むことはあっても、うつになっている余裕はない、と言いきるパワフルな40代だ。

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 僕は、高卒のタタキあげの営業です。「売るか、死ぬか」という後がない状況で生きてきました。学歴もないし、英語もできないし、力仕事もできないので、営業やってモノを売るしか生きていくすべがありませんでした。若い時に結婚して子供が3人いるので、こう言ってはAさん、Bさんに失礼ですが、うつになっている余裕もありませんでした。

 高校を卒業して初めて就職した会社は、オフィス機器の販売会社でした。営業に配属され日々飛び込み営業をやっていましたが、最初は門前払いばかりで全然売れませんでしたよ。たまたま同じ地方出身で出身高も同じ先輩がいて、その売れている先輩について営業の仕方を教えてもらったんです。すごく良い先輩でしたね。同行営業しながら、営業のコツをずいぶん教えてくれましたよ。今思うとコテコテの営業スタイルでしたけれども、お客さんの懐に入り込んで心をつかむコツは、今の僕の営業スタイルで生かされています。

 営業2年目には、社内で全国ナンバーワンの売り上げを達成して、社長賞をいただきました。表彰されて、金一封をもらったのですが、その中身を見て愕然としたんです。いくらだったと思います?

社長賞が1万円で愕然

 1万円ですよ。社内全国で売り上げが一番多くて、たった1万円の報酬です。

 その会社は、創業者が一代で築き上げた会社で、仕事がキツイ割には金払いが悪かったですね。

 給与は、全然売れない同僚と同じでした。年功序列の給与体系なのでサボってばかりで成果の上げられない先輩社員の給料を、追い抜くこともなさそうでしたし、高卒の学歴では、なかなか上に行けないと聞きました。この会社でやっていっても、学歴のない自分じゃ社内で出世できそうもないし、給料も上がりそうにない。先輩や上司を見ていても未来がない、と感じて絶望的でしたね。