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 筆者は、2015年にSIYLI(Search Inside Yourself Leadership Institute、シリ)の共同創業者でありCEOのMarc Lesser(マーク・レッサー)氏から、2日間のマインドフルネス・プログラムを受講する機会があった。プログラムは、Google米国本社のエンジニアだったChade-Meng Tan(チャディ・メン・タン)氏が、在職中にコンセプトを考え開発したものが原型となっている。プログラムを実際に経験してみて「心」にフォーカスしはじめたグローバル企業の新たな時代の潮流を実感した。

マインドフルネス誕生物語

 タン氏はシンガポール出身のエンジニアで、Googleの従業員ナンバーは107番。Googleの立ち上げ期に入社し、ビジネス基盤となっている検索エンジンをつくった中心メンバーだ。

 彼は社内で認められてトントン拍子に昇格し、短期間のうちにエンジニアのトップであるフェローになった。そのトップのポジションから社内を広く見渡してみると、Googleには確かに賢くて能力のある社員ががたくさんいるが、その能力をフルに生かすことができずにいる人、優秀でも燃え尽きてしまう人が多いことに気がついた。私生活で問題をかかえ、仕事のパフォーマンスが低下している社員もいた。

 私生活をきちんと送るためには、賢いだけではだめで、レジリエンス(精神的な回復力)、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)といった心身の健やかさ、感情のバランスが重要だということを、改めて強く感じたのだという。

 それでは、会社として社員に対して何ができるのか?一般に社員教育は、テクノロジー・知識・スキルを向上させることにフォーカスしていたが、もっと「心」を中心としたプログラムが必要であり重要なのではないか、とタン氏は考えた。