PR

 ようやく読めた。そして面白かった。何の事かと言うと、米国の動画配信サービス大手、Netflixの「サル軍団」の記事だ。カオスモンキーやカオスゴリラ、カオスコングたちがわざと本番システムに障害を発生させて、技術者たちに対処させるという内容。日本企業には「システム障害は絶対に起こしてはならない」という愚か者が多いので、そうした連中にはぜひ読んでもらいたい。

 システム障害に対する日本企業の過剰対応の愚かさは、この「極言暴論」で何度も指摘してきた。システム障害の発生は避けられないというのは技術者の間では常識のはずなのに、「システム障害は絶対に起こしてはならない」という非常識が、なぜかまかり通る。その結果、ユーザー企業のIT部門やITベンダーのシステム運用担当者は過大な負担を強いられ、その現場はブラック職場と化す。

 挙句の果てに「起こしてはならない」システム障害が発生すれば、さあ大変。たかだか数万人の顧客に迷惑をかけた程度なのに、経営トップが謝罪会見を開き深々と頭を下げる始末。それを見た他の企業の経営トップやCIO(最高情報責任者)、そしてIT部門の現場を恐怖に打ち震える。その結果、ますます「障害は絶対、絶対、絶対に起こすな!」という話になり、システム運用担当者の首は絞まっていく。

 実は、こうしたシステム障害に対する日本企業の過剰対応は外資系ITベンダーの間でも有名だ。彼らは表向き「世界一品質に厳しい(日本の)顧客の声を聞いて……」などと言うが、本音では「カンベンしろよ!」である。製品のバグが露見するたびに、膨大な量の顛末書や報告書を書かされていてはたまらないからだ。当然、外資系ITベンダーは日本市場に最新技術を投入するのに慎重になるから、日本企業は最新技術を利用する機会を自ら失ってばかりいる。

 そんなわけなので、私はずっと馬鹿に付ける薬、それも特効薬が欲しいと思い続けてきた。Netflixのサル軍団はまさに特効薬だ。同僚記者がAWS(Amazon Web Services)のイベントに合わせて渡米し、サル軍団の話を詳しく取材してくると言っていたので楽しみにしていた。読者の周りに経営トップやCIO、システム部長で馬鹿な人がいたら、ぜひサル軍団の記事を読ませてほしい。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料