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中国IT産業は日本の下請けから卒業近し

 では、IT先進国以外の他の国ではどうか。例えば中国。これまではオフショア開発拠点、つまり日本のIT産業にとっては、人月商売・多重下請け構造の末端を支える存在にすぎなかった。だが、レノボ、ファーウェイ、シャオミといったITベンダーの急成長で、そのイメージは急速に変わりつつある。ひょっとしたら中国は、IT産業の成長やIT活用において日本を抜き去ったかもしれないのだ。

 例えば、スイッチ/ルーターやサーバー、ストレージといったハードウエアで世界大手にのし上がったファーウェイ。2015年の売上高が対前年比20.6%増の5兆5507億円となり、あっさりと富士通を抜き去った。しかも、レノボやシャオミともども、ITをフル活用した米国企業の経営スタイルを身に付け、その面でももはや日本企業の先を行く。

 ファーウェイのCEO(最高経営責任者)はかつて、社員にこう厳命した。「米国の靴を履く。自分の足を削ってでも靴に合わせよ。履き心地が違うからと言って勝手に靴を変形させるな」。IBMなど米国のITベンダーからコンサルティングを受け、米国流の標準の業務プロセスを手に入れたのだ。そしてこれを武器に、グローバル企業へ一気に飛躍した。

 もちろん中国の大手ITベンダーはまだハードウエアビジネスが中心だし、ユーザー企業までもが全て米国流の業務プロセスやERPを求めているわけではない。だが、少なくともグローバルで戦おうとする企業は、ITベンダー、ユーザー企業にかかわらず、儲けるために米国流をいともたやすく模倣し取り入れる。まもなく中国のIT産業は日本の人月商売の下請けを卒業し、先進国の仲間入りを果たすだろう。

 そう言えば、ソフトウエア大国のインドも“下請けの大国”から抜け出すことを模索し始めたと聞く。欧米や日本のITベンダーから開発業務などを受託してきたタタ・コンサルタンシー・サービシズなど大手ベンダーは、クラウドやIoT、ビッグデータ分析などでアジア企業相手に独自のサービス事業に乗り出そうとしている。インドも人月商売主体のビジネス構造から脱し、真のIT先進国の仲間入りを果たす日は近い。