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今回は、ブランク氏の古くからの友人である女性ベンチャーキャピタリストの話です。卒業講演の内容を紹介したものですが、そこには起業家としての心構えが凝縮されています。(ITpro)

 私がキャサリン・グールド氏に初めて会ったのは、2人が認めたくないほど、遠い昔のことでした。キャサリンは、オラクル創業時のマーケティング担当副社長で、その後、リクルーターとして成功。最高のベンチャー・キャピタリストであり、ベンチャー・キャピタル(VC)の共同創業者にもなり、素晴らしい社外取締役で、私のメンターの1人です。

 私にとって最も大切なのは、素晴らしい友人であるということです。仕事をしている時期、彼女は、自分がシリコンバレーで最初の女性のVCの1人であるということを口に出さないよう心がけていて(彼女以外には、メアリージェーン・エルモア氏とアン・ウィンブラッド氏がいました)、シンプルに「私はVCです」と言っていました。

 彼女はまた、VCの最初の女性共同創業者でしたが、彼女は「私は素晴らしい企業を、共同で創業しました」とだけ言っていました。彼女は男性の2倍ほど賢く、同じくらいタフでした。彼女はその世代の女性のVCとCEOにとって、メンターでありお手本だっただけではなく、男女を問わず、全てのVCとCEOにとってもそうでしたし、私もその中の1人であったことを、誇りに思っています。

 私が教壇に立つことを選んだ理由の1つは 、後の世代の人たちを自分たちより賢明にすることが、私たちの責務であるという私の強い信念でした。そこで、キャサリンがシカゴ大学で卒業基調講演をしたと聞いたので、彼女の数十年の経験を、もっと広範囲の人に伝えるのが良いのではないかと提案しました。

 彼女の返答は、どうだったと思いますか。「私が何より避けたいことは、ブドウ畑を育て、飛び回り、絵を描き、音楽を奏で、ぶらぶらしているのを、多くの人に邪魔されることです」。それに対して私は「あなたは引退したけれど、あなたが得た知識や経験はどうなるのでしょうか」と指摘しました。

 それでもなお、彼女は穏やかに反論したので、私は最後の試みをしました。彼女に電子メールを送り、「あなたが亡くなれば、あなたが学んだことも一緒に無くなります。これはあなた自身よりも大きな損失です。私には2人の娘がいて、仕事を始めるところです。あなたのやり遂げた話を聞く以上に、娘たちを奮い立たせる話はありません。あなたの人生の旅を分かち合うべきだと、私は本当に思います」と伝えました。

 その結果、ようやく彼女は合意しました。以下が、その彼女の話です。

なぜ卒業基調講演をするのか

 最近私が依頼されたなかで、最も楽しかったものの1つが、シカゴ大学のブース・ビジネス・スクールで、2014年6月に卒業基調講演をしたことでした。この講演の前後にも途中にも、私が大学に伝えなかったことは、シカゴ大学経営学修士(MBA)の卒業式に出席せず、トロント大学で物理学の学士号授与の卒業式にも出席しなかったことです。私はきらびやかな式典に興味が無く、加えて両学部の卒業の直後に、面白い仕事にすぐに就きたかったのです。

 公平であるために言いますと、いずれの学部でも私は最優等生ではありませんでした。私はまあまあ良い成績で、卒業式に出席して、自己主張をする必要はありませんでした。しかしそろそろ潮時なので、私は卒業式に参加したのです。

 この講演の原稿を書くにあたって、私が個人的に最も興味を持ったのは、私が若い女性たちと同じくらいの年齢で聞きたかったことを、彼女たちにどのように伝えるかを考えることでした。私は当時、聞くすべがなかったので。

 それで、男性のビジネスの中で女性の立場はどうだったのかを、私は初めて真剣に考えました。以前そのことを考えなかったのは、生き残るための戦略でした。もし私がそれを考えたとすると、私はそのことを話したくなり、それは馬鹿げた行為になります。私は毎日、男性と一緒に働いて競争していました。そして成功しました。