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Scratchの「祖父」シーモア・パパート氏の功績を讃える

 レズニック氏の基調講演の後半では、当初はScratchの未来について語る予定が、本イベント直前の7月31日に亡くなったMIT名誉教授シーモア・パパート氏の功績を讃える内容に変更された。

 パパート氏は数学者、計算機科学者で、書籍「パーセプトロン」(マービン・ミンスキー氏と共著)の執筆など人工知能研究や、主体性を伴ったものづくりの実体験を通して新たな知識を獲得できるという構築主義を提唱したことで知られる。コンピュータが子どもの創造力や表現力を高めることに使えることにいち早く気付き、子どもを対象にした初めてのプログラミング言語「LOGO」を開発した。MITメディアラボの創設、100ドルPCの開発にも携わるなど、幅広い分野で多大な貢献を果たした。

 パパート氏の教え子でMITの同僚でもあったレズニック氏は、「Scratchに取り入れているアイデアの元を考案し、Scratchに良い影響を与え続けている」と、時には涙ぐみながら、パパート氏の功績を讃えた(写真4)。

写真4●「Scratchに取り入れているアイデアの元を考案し、Scratchに良い影響を与え続けている」(レズニック氏)
写真4●「Scratchに取り入れているアイデアの元を考案し、Scratchに良い影響を与え続けている」(レズニック氏)
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 さらに同氏の言葉のなかから次の6つをピックアップし、その重要性を指摘した。

  1. Constructionism
  2. Objects to Think With
  3. Powerful Ideas
  4. Samba Schools
  5. Hard Fun
  6. Epistemological Pluralism

 基調講演では紹介されなかったが、レズニック氏はパパート氏をしのぶ作品をつくり、そこではパパートを「Scratchの祖父と呼べる」とし、Scratchがパパート氏のアイデアに多大な影響を受けたことを自らの音声付きで表現している(写真5)。パパート氏のアイデアと精神を受け継ぎながら、Scratchを通じてそれらをさらに広めていくことを述べて基調講演を終えた。

 初日の夜には、パパート氏をしのぶイベントが急きょ開かれ、そこにはパパート氏に親しい人々も参加した。

写真5●レズニック氏によるパパート氏をしのぶ作品の画面
写真5●レズニック氏によるパパート氏をしのぶ作品の画面
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