PR

 多くの企業がビジネスの将来を語るとき、そのゴールは5年後の2020年。もちろん東京五輪を意識してのことだが、少し気になる。誰もがそこで思考停止しているのだ。五輪開催に向けた“行け行けドンドン”の後に、暗く長い停滞の時代が予感されるので、その先を考えたくないのかもしれない。

 アベノミクスの当座の成功もあり、日本はおそらく2020年までは大丈夫だ。だが五輪の後、2020年代前半から団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に移行する。少子高齢化といっても、今はまだ、団塊の世代はパワフルな消費者として日本経済を支えている。だが、この世代が後期高齢者になれば、医療介護費などの社会保障費が膨らむ。2020年代に少子高齢化が一気に深刻化するわけだ。

 企業が何もしなければ、既存の国内市場はこの頃から本格的にシュリンクするだろう。それまでに社会保障制度改革などが進まなかったとしたら、国の借金の増加に歯止めが掛からなくなり、財政破綻の恐れすら出てくる。だから国も企業も、執行猶予ともいえる5年間に何とかするしかないのだ。

 そんなわけで、企業は五輪までという思考停止に陥ってはダメだ。2020年以降を見据えた上で、この5年間に何をなすのかというビジョン、戦略がとても重要になる。では、どれほど先まで見据えるべきかというと、切りのよい2030年、つまり15年先までがよい。

 実は単にキリがよいから、そう言っているのではない。最近のIT関連ビジネスは10~15年で大きく様変わりするのだ。例えば15年前の2000年、ネットバブルの絶頂期には、米アマゾン・ドット・コムはまだネットの本屋にすぎなかった。IT業界のあり様を変えてしまうことになるクラウドサービスAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を開始するのは、その2年後の2002年のことだ。