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 多くの企業のIT部門で、違法行為あるいは脱法行為がまかり通っている。今や企業にとって、コンプライアンス(法令順守)は重要な経営課題だ。刑事事件にならなくても、問題があれば社会的に容赦なく指弾され、企業は大きな打撃を被るからだ。にもかかわらず、なぜ多くのIT部門が、そのことに無頓着なのだろうか。

 何のことかと言うと、システム開発などの案件で、IT部門が公然と行う著作権侵害だ。例えば特定のITベンダーに提案を求め、その提案書をコピペしてRFP(提案依頼書)を作成し、より安い料金を提示した別のベンダーに発注するといった行為だ。

 以前このコラムで「ユーザー企業はベンダーに提案料を支払うべきだ」という話を書いた(日経コンピュータ2015年7月9日号参照)。実は、その記事をWeb媒体のITproに転載したところ、ベンダー側の読者の多くから「提案料を支払ってもらえるどころか、提案書をコピペされて使いまわされた」とのコメントが多数寄せられた。

 「提案書のコピペ」問題については、1年ほど前にITproのコラム「極言暴論」でも取り上げたことがある。その際も、「私の提案書は他のベンダーから安値を引き出すために使われた。努力は全て徒労だった」といった怒りの声が多数寄せられた。反対にユーザー側では、「営業用の提案書なのだから、著作権など関係が無いだろう」とのん気に話すシステム部長もいたから、根の深い問題なのだ。

放置すると重大事になる恐れも

 ユーザー企業は提案料を支払うべきだと言ったのは、本物のソリューション提案の付加価値は高いからだ。システム化に向けての課題を分析し、そのソリューションを提案したならば、その中身は有償のコンサルティングと大差がない。だからこそ、より良い提案を得るためにも提案料を支払うべきなのだ。