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 本連載では、中学生高校生たち10代の「承認欲求」を何度も取り上げてきた(写真1)。ここで改めて、承認欲求について考えてみよう。

写真1●中学生高校生たち10代の多くは承認欲求を持っている(写真はイメージ)
写真1●中学生高校生たち10代の多くは承認欲求を持っている(写真はイメージ)

 米国の心理学者であるアブラハム・マズローは、人間の基本的欲求を低次から「生理的欲求(Physiological needs)」、「安全の欲求(Safety needs)」、「所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)」、「承認の欲求(Esteem)」、自己実現の欲求(Self-actualization)」の5段階に分類した。「マズローの欲求5段階説」として知られる考え方だ。

低次が満たされると高次の欲求を求める

 これによると、人間の欲求はピラミッドのような形をしており、低次の欲求が満たされるとより高次の欲求を求めるようになるという。現代の日本に生きる子どもたちの多くは、下位の三つの欲求が満たされているはず。そして次の段階として「承認欲求」を満たそうとしている。

 承認欲求とは他人からの承認を求めるだけと思われがちだが、実際は、大きく分けて「他者承認」と「自己承認」の二つがある。他人から認められたいという欲求とともに、自己肯定できる自分でありたいという欲求が存在している。つまり他者に認められるだけでなく、今の自分に満足して自分を認めることも承認欲求の側面なのだ。

 ところが、10代の中高生たちのほとんどは、現実の生活ではまだ何者でもない。成長の過程にいるため、他者から承認されることはあまり多くなく、自己肯定も難しい状態だ。