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福田 紀彦氏
福田 紀彦氏
1995年3月に群馬大学大学院工学部情報工学科修了、同年4月に伊藤忠テクノサイエンス(現伊藤忠テクノソリューションズ)に入社し、携帯電話事業者向けシステム開発などを手がける。2006年8月にカカクコムに転職。検索サービス部長や価格.comシステム統括部長などを経て、2013年4月より上席執行役員プラットフォーム技術本部長兼システムプラットフォーム部長。(写真:陶山 勉)
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 当社には、「価格.com」と「食べログ」という月間5000万アクセス規模を誇る二つの看板サービスがあるが、これら以外にも小さいものまで含めると現在10以上のサービスを持っている。最近は、プロの料理レシピの無料まとめ検索アプリ「レシぽん」や、飲んだワインの情報を記録・共有できるアプリ「Vinica」など、スマートフォンアプリもリリースしている。

 価格.comと食べログの成長に加え、こうした新サービスやアプリの開発をはじめとする新規ビジネスをいかに素早く立ち上げて安定的に稼働できるようにするか。そのための土台となるインフラやサービス基盤を作り上げるのが私の中核ミッションだ。外向けのサービスだけでなく、社内の基幹システムも含めたIT戦略全般を見ている。

 会社の成長と共に人も増えているが、今後さらに人が増えたときにどう対応できるようにするか。また、コミュニケーションのやり方なども変わってきている。外部環境の変化によって、コンプライアンスのために取得・保存すべきログも増えている状況だ。会社の発展やサービスの拡張に合わせたインフラ構築やシステム基盤作りが求められている。

 こうした変化に対応するための答えの一つとして、今取り組んでいるのが、プライベートクラウドの構築だ。価格.comや食べログは物理サーバーベースで稼働しているが、スモールスタートで素早く始めたい新規事業については、物理サーバーを使うやり方ではスピードが合わなくなってきた。「明日、明後日までにサーバーを用意してほしい」という要望が現場から次々と上がってくる。サーバーを用意するリードタイムを短くしなければ、インフラが会社の発展の足を引っ張る状況になってしまう。

 そこで、半年ほど前からプライベートクラウドを稼働開始させ、新規サービスは基本的にその上で動かすようにしている。特定の物理サーバーの上で仮想マシンを動かす、サーバーの仮想化は既に数年前から進めてきたが、これをもう一歩進めた形だ。今のところ不具合なく設計通り動いているが、まだ運用などに関する知見が不足しており、実験的に様々なチャレンジをしつつ、ノウハウを蓄積している。

 実は最初からプライベートクラウドで行こうとしていたわけではない。Vinicaを新規事業として立ち上げる際、当初はAWS(Amazon Web Services)を利用して進めていた。ところが、当社の厳しいセキュリティ基準に基づきWAF(Web Application Firewall)やデータベース暗号化の仕組みを組み込もうとしたところ、想定予算ではレスポンスタイムが遅くて満足できないことが分かった。そこで、「うちでクラウドを実現していくしかない」と考え、プライベートクラウド構築という結論に行き着いた。